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 明日もきっと同じ誓いを立てる

 母が私を娘だと認識していられる時間に限りが見えてきた。
終わりが見えない辛さと、終わることの恐怖が隣り合わせの毎日。

 仕事が忙しい時、楽しみにしていた何かが母の体調次第で次々と潰れていく時、ついキツイ言葉を発してしまう。そんな私の意地悪な物言いも母はそう長くは覚えていない。反しては私は母が瞬間的に見せる悲しい顔をなかなか忘れられない。

 1日の終わりにはこの限りの見えてきた「今」がどれだけ大切なのかを思い、明日こそはお互いに気持ちよく、心穏やかに1日を過ごそうと心に決める。しかし、また明日の晩にはきっと同じ反省をして同じ誓いを立てるのだ。

 こんな日々も父の介護が本格化した時期から通算すると約12年。
干支が一周してもほぼ毎晩同じことを繰り返すだなんて、我ながら学ばないものだと呆れてしまう。でも、同時によく頑張っていると褒めてもあげたい。

 明日は罪滅ぼしに、リクエストの芋羊羹を作ろう。
 平和に仲良くおやつタイムがすごせますように。




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