第5回 当局届出事項の落とし穴2(金融商品取引業者の業務の内容又は方法の変更届出)

株式会社日本資産運用基盤グループのJAMPフィナンシャル・ソリューションズは、金融商品取引業者様及びその登録を目指しておられる方々向けに、当局の動向などをまとめた「JAMPコンプラ・メルマガ」を発信しています。今回は、投資運用業者(適格投資家向け投資運用業を含む)に義務付けられている「金融商品取引業者の業務の内容又は方法の変更届出」についてのお話です。

金融商品取引業者は登録の際に、登録申請書の添付書類として「業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類」の提出を義務付けられています。
これがいわゆる「業務方法書」であり、金融商品取引業者において重要な社内規程の一つと位置付けられています。
この内容に変更があったときは遅滞なく当局に届け出なければなりません。(※あらかじめ届け出なければならない場合もありますのでご注意ください)
留意すべき点は、業務方法書の変更届出が必要なのは、その本文に係る変更だけでは無いということです。
例えば、業務方法書の本文に、「○○については別紙○○規程に定める。」との記載があった場合です。
具体的な事例でいうと、業務方法書の第〇条(苦情の解決のための体制)に「当社が社外から苦情、または問い合わせを受けた際には、別紙『苦情等対応規程』等の定めに従い、誠意をもって対処する。」との記載です。
「苦情等対応規程」は、その内容を本来業務方法書に記載すべきところ、内容が多岐に渡るなどの理由により、別紙として作成されています。
よって、この「苦情等対応規程」は、業務方法書の内容が記載されているものとして、業務方法書の一部と見なされます。
従って、社内の苦情対応窓口部署を変更し、その窓口等を明記した「苦情等対応規程」を改定した場合には、同時に業務方法書の改定となり、当局への業務方法書の変更届出が必要となります。
こうした届出漏れ等を防ぐ具体的な方策としては、「別紙○○規程に定める」などの記載ではなく、業務方法書に適正かつ必要十分な内容を記載すると言う方法もあります。
また業務方法書の変更届出が必要な事象が発生した場合に届出漏れを防ぐためには、例えば当局届出一覧表及び届出管理表を作成して届出漏れを防止するなどの内部管理態勢の構築が必須と思われます。

ご心配な点等ございましたら、是非当社までお問合せ下さい。
(HT)

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