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キリンの異常な愛情 または私は如何にして逆張りするのを止めてレヴュースタァライトを愛するようになったか

あの頃には戻れない
何も知らなかった日々
胸を刺す衝撃を
浴びてしまったから
 スタァライト九九組「星のダイアローグ」

一週間。
一週間あれば人は何も知らない状態からスタァライトできるようになります。
TLで信頼のオタクたちがスタァライトの光に焼き尽くされているのをよく目撃していましたが、なんだかんだ見る気持ちが乗らずにここまでスルーしていました。
最近アニメの趣味が合うフォロワーが見始めてたので、そろそろおれも見るか〜となんの気無しにツイートしたところ、沼からわらわらと手が伸びてきて背中を押してきたのです。

とりあえず見てみた1話で最初はラ!じゃん〜みたいな印象しかなかったのですが、「アタシ再生産」から全てが変わりましたね。あのつよつよバンク見てからもう終わりです。
そこからそのまま一日でアニメ版を駆け抜け、翌日にロロロまで終わらせました。つまり二日あれば人はスタァライトできる(訂正)
余談ですが、ラ!もみゅーずちゃんにはどハマりしたので土壌は充分でした。ラ!の推しはエリーでスタァライトはクロちゃんです。わかりやすいと言うな

それで今ちょうど劇場版をやっていることすら知らなかったのですが、偶然タイミングが合ってギリギリ劇場版をまだ映画館で観れる間に履修することができました。

冒頭の“星のダイアローグ”ですが、ここ一週間の気持ちですね。この作品を知らなかった世界がもうわかりません。
結局、アニメ見ても映画見ても何がどうなっててどう凄くて何の伏線がヤバくてこれがぶっ刺さるみたいなやつが何一つわからんのですよこのレヴュースタァライトとかいうやつは。
ただただ、全てが強い光でキラめいていてその光に我々は焼き尽くされるしかないんですよね。ばななちゃんがその眩しさに執着するのもわかります🦒

なんとなくモニョモニョ考えながら映画館までの道中を運転してたんですが、レヴュースタァライトって閃光少女なんですよね。

切り取ってよ、一瞬の光を
写真機は要らないわ
五感を持ってお出で
私は今しか知らない
貴方の今に閃きたい
 東京事変「閃光少女」

一番サビはみんな→ばななかな。
私は今しか知らない
貴方の“今に”キラめきたいんですよね。

焼き付いてよ、一瞬の光で
またとないいのちを
使い切っていくから
私は今しか知らない
貴方の今を閃きたい
 東京事変「閃光少女」

二番サビはばなな→みんな
あの時のスタァライトと同じ、それ以上の光で焼き付いて欲しい。第99回スタァライトという貴方の“今を”キラめきたいんですよね。

私は偶然このタイミングでハマれて、このやべえ映画をなんとか目にすることができましたが、これからも多分何の拍子もなくいきなり沼に落ちて同じように意味のわからないレヴュースタァライトに燃やし尽くされていく人がいるんでしょうね。
それはそれでよくて、それがこの作品の“スタァライト”なんだと思うんですが、それでもこれを映画館で観れないのは“損失”なので私も同じように劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライトを観れるうちに観ろbotとしてやっていこうと思います。




……


………


………………


……………………………………


以上、ここまでは映画を見る前の待ち時間にドトールで書き上げたやつでした。
映画のネタバレは踏んでないものの、評価とかを見てるとなんかインドにでも行ったんかお前はみたいな価値観が540°変わったような人たちが多いので、今の気持ちがまるっきり全てわからなくなる可能性があるなと思いここでとりあえず映画みたらこんなもんだろみたいな感じの無意味文を認めておきました。

さあ行きましょう、劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライトを見終わった後の世界へ。



なんそれ!!!!!!!!!!(ZAZY)

いやなんそれでしょ普通に。アニメ版でアタシ再生産のバンク初めて見たとき以上になんそれがずっと続いてた。

とりあえず言えば何一つわからんかった。何一つわからんけど美少女たちの嫉妬、憧れ、歪んだ愛その他諸々の全ての感情を二時間ずっと叩きつけられてた。
今こうして感想を書こうとしながらも何一つわかってないから何をどう書くべきなのか何もわかってないんですけど、それっぽいこと言うと全てがわからん映画の一つの到達点だなとか言うときます。わかりま〜す🦒

なんだろうな、これまでも概念的な全てがわからん映画っていっぱいあると思うんですけど、どんだけ面白くてもわからん部分がわからんせいで終わった後になんとなく引っかかりがあって素直に面白かった!!!で終われないことってあるじゃないですか。

それが本当にないんだよねこれ。全てがわからんけど全てに説得力がある。しかも圧倒的な。
アニメ版でもそうで、その場ではもうこの描写しかないよね〜それそれ〜と思って見るんだけどちょっとあれってどういう意味なん?って聞かれたらいや……わからん、おれたちは雰囲気でレヴュースタァライトを見ている……って感じだと思うんすよね。

今回ので言うと、セクシー本堂!?デコトラ!?wwwなんやねんそれwwwになるんですけど、そこに双葉の「ずるい、ずるい……」が入ってしまうともう説得力しかない。ちょっと終わって落ち着いて振り返ってると、やっぱりセクシー本堂!?になるんですけど、あの時はもうセクシー本堂しか考えられないんですよね。

そのあたりがうめえな〜とか思いつつ見てました。嘘です。今考えました。

あとはもう記憶が薄れないうちにレヴューの振り返りだけでもさせてください。レヴューの順番なんかもうぐちゃぐちゃなんでぐちゃぐちゃかもしれん。


皆殺しのレヴュー
ここまでなんとなく全体的にふわふわしてると言うか、腑抜けてんな〜みたいなところが香子のしょーもなから不穏になり始めていきなりレヴューでこう全てぶっ壊してくれる感じが好き、愛してる
大場なな、なんですよねえ……
大場なな強いし強すぎるし顔が良すぎる。大場ななが大場ななであることを隠さなくなったらそれ即ち無敵。

なんだか強いお酒を飲んだみたい……

なんだか 強いお酒を 飲んだみたい……!

な ん だ か 強 い お 酒 を 飲 ん だ み た い !!!!!

大場なな(低音)に生かされて居る おれたちは


セクシー本堂
上で先に述べた通り。素直になれないふたりの愛おしさ。
張った張ったのクロちゃんご馳走様でした。
やっぱり口上がいいですね。来たっ!!!!!てなる


S.C.C(Space Crazy Cup)
いつもニコニコおっとりのまひるちゃんがああなったら怖いよね。でも変な扉が開いてもおかしくなかった。
最後爽やか~にうん!つって華恋の元に駆けて行きながらあれ本気だったよね?本気だったよ、本気だよ……ってなりながら半泣きで走ったひかりちゃんはいる。


切腹と介錯のレヴュー
「君死にたまふことなかれ」
「殺してみせろよ、大場なな」

軍服のなな様、美なんよ
皆殺しのレヴューとかでもちょこちょこ映るなな様の横顔がもう美なんよ、彫刻なんよ
美しい~と思いながら切腹を勧められてえ
真面目なあれで言うと「美しいまま死ね」ってのは三島なのかな?とか思っていました。
「君死にたまふことなかれ」と言いつつも美しいあのキラめいた“君”でないのなら汚れる前に死んでくれという最高のエゴイスティック。
星見純那が他人の言葉を棄てた後の展開が全て好きすぎるんだよな。

何かが焼き付いて離れないなら、もっと強い光で上書きするしかない。


神様と悪魔のレヴュー
クロちゃん!!!

クロちゃん!!!!!!!!!!!

クロちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ご馳走様でした。(二回目)
“高み”にいる二人にしかできないレヴュー。
神降ろしの悪魔。真矢様の人間くさいところが最高に愛おしい。
「私はいつだってかわいい!!!!!!!(クソデカ大声)」
これまでの自信もあるんだろうけど変に何かを背負って人間をやめようとした真矢様をクロちゃんが引きずり降ろす、わかりま~す🦒

顔のいい女たちの感情のぶつけ合いはとんでもないエントロピーを生み出すんだよな。きゅっぷい。


クソダサネオンのレヴュー
ようやく主人公のお出ましですよ、長かった。
なんだろうな、ここまでテレビシリーズも含めて愛城華恋のバックボーンというか、“舞台少女であること”の深掘りがあまりなかったと思うんだよね、主人公なのに。
もちろんひかりちゃんと幼なじみで、こういう約束の下に……ってのはあるけどそれにしても他のキャラのエグい感情の波の中で華恋だけニュートラルすぎる。唯一ボロボロになったのがひかりちゃん関連だけで、それ以外は飛び入りからスタァライトの再生産まで全てに迷いがないというか無敵すぎる。大場なな以上に無敵説ある。(真矢様に負けたのも結局ひかりちゃんという迷いがあったからで、最初から本気だったら勝ってると思う)

ここまでの華恋は“舞台少女”ではなくて“舞台装置”だったのでは?と思うんですよね。
話を転がすためのあくまで舞台装置でしかなかったから、他のみんなみたいになりたい自分や目指すものの前にボロボロにならないし、物語を動かすために何度だって再生産できる、そういうあれなのかなとか。

それがこれでとうとう舞台の怖さを、スタァライトの外の世界が見えてしまった。舞台装置が舞台少女になってしまった。
ていうなんかそういうあれかなとおもいました(わからんごとなってきたので終)

で、上の方で書いた説得力の話なんだけど「愛城華恋は、次の舞台へ!」で出てくるクソデカ愛城華恋ネオンがこれまたクッソダサいし神楽ひかり!!!まで被せてきたかなんですけどこれがもう全てを受け入れるしかない。だってあの場面ではあのネオンサインしかねーもん。なぜなら少女☆歌劇レヴュースタァライトだから。This is Revue Starlight.


てなかんじでね、全てがもう全然わかんなかったんだけどその全てに説得力があって全てが愛おしかったんだ。レヴュースタァライト、すげえよ。

最後にもう一度。

あの頃には戻れない
何も知らなかった日々
胸を刺す衝撃を
浴びてしまったから

あの時キミも見たでしょう
弾けた星のキラめき
 スタァライト九九組「星のダイアローグ」


7/12 追記

昨日二回目見に行ってきました。
初回は内容を理解するためにめちゃくちゃ頭回したし凄まじい映像のパワーに終わったときにはドッと疲れてたんですが、今回はなな様の顔面を拝むためくらいの気持ちで行ったのでかなり冷静に見れました。
その上でとんでもなく面白かった、すげえよこれ。

構成としてレヴュー→華恋の過去話→レヴューって順番って記憶してたので、中学の時のミスドでの話はわりと中盤〜後半のイメージだったんですけど、案外すぐ出てきたのであれ?ってことはあともう全部レヴューじゃんと震えました。

皆殺しのレヴューに至るまで、やっぱりみんなめちゃくちゃ腑抜けてる。
This is 天堂真矢でさえなんとなくふわふわしてるしああいう日常モノも見たい。願わくば。
しかしそうはなな様が許さないわけで。
レヴューに入る前のキリンがコロコロしてくる時の音楽、ki-ringtrainでしたね。明らかにkilling train。

開始前のイントロで足トントンしてるなな様カッコ良過ぎるんだよなあ。

あなた わかりますか
ルールが わかりますか

ワイルドスクリーーンバロック
自然の摂理だろね

ここめちゃくちゃ歌詞聴きたいのに目の前でとんでもない殺陣が繰り広げられているので聴きようがない。
早くアルバム欲しいです。
みんな腑抜けてる中でもじゅんじゅんは一人飛び抜けて何も感じ取れてないし、唯一舞台に乗っている真矢様って構図も見返すとけっこうわかりやすいですね。

皆殺しが終わって決起集会の後に舞台少女としての自分の死と向き合い、これからの未来に対峙するわけですが、ここでトマト齧ってるシーンはじゅんじゅんのコマもあったんでしょうか?
ちょっと私の目では全員分見れなかったんですけど、あの流れで何とケリを付けるべきかもわかってない純那がトマト齧るか?と思いました。
コマがあったのなら、どうするべきかわからない、でもそれはそれとして未来に進む糧は得るというシーンなんですかね。そしてそんな覚悟もなく糧を得る純那にはかつての輝きが完全に失われて、腹を切れと。

先に書いた内容でもセクシー本堂めっちゃ面白くて印象に残ってたので、けっこうな時間セクシー本堂って出てんだろうなと思ってたらセクシー本堂って3秒も多分出てないのにあんだけ頭に残るのヤバくないですか、セクシー本堂。
わがままハイウェイめちゃくちゃいいよね。。

競演のレヴュー、エレベータに逃げ込む前のところで奥にまひるちゃんいるっての見てたんで探してたらいました。ゾクっとしました。
MEDAL SUZDAL PANIC◎○●もいい曲……モナカ広川氏には大変な恩義しかない。

狩りのレヴュー、ほんっとになんもわかってねえじゅんじゅん。流れをわかってる状態で見てたらちょっと冗長なくらい他人の言葉の引用しかしてないですね。
自分が掴めないかもしれない星をそれでもなんとかして掴むために、そうやっていく自分を奮い立たせるための言葉として使ってた他人の言葉が、いつしか何かの言い訳に使われ始めたことに気づいてしまった時の大場、どんな気持ちだったんでしょうか。
そう見ていったときに、これ以上あの美しかった君が変わって行くなら今ここで終わらせてくれと思うかもしれない。わかります🦒

魂のレヴュー、皆殺しで真矢様だけ舞台の上の覚悟があったのもそうだけど、クロちゃんをライバルという“役”をよく果たしてくれました👏で自分の三年間とケリを付けようとするのもはや悪役のムーブよな。
そんでクロちゃん優勢→真矢様優勢→This is拒否→クロちゃん攻勢→がっぷり四つってシーソーゲームなのがマジで真矢クロなんだなあという気持ち。
怨みのレヴューでもそうなんだけどレヴュー曲とセリフの合わせ方エグいよねこれ。最後クロちゃんに美しい……って言うとき裏のメロが「貴方は美しい」とかだった。
あとはもともとの口上に対しての本歌取りと言うかさ、
今宵、キラめきを貴方に ⇄ 今宵、キラめきでアンタを
奈落で見上げろ 私がスタァだ ⇄ スタァになるのは、この私
これもう大好きじゃんお互いがヨ……LOVE

最後の華恋とひかりのところはあんまり言語化できてないというかなんかもう「印象!!!」って感じであんまり言うことないんですけど、演じ切っちゃった……レヴュー・スタァライトを!ですかね。

マジで最初に見た時より二時間あっという間だったし、終わってもう上手い!!!としか言えなかったです。
再生賛美曲が少し暗めというかしっとりなのに対して、私たちはもう舞台の上は未来に進むことを確実に表現された明るい曲調なのがまたいいですね。

クリアしおりをもらいたかったのに日曜に行ったらさすがにありませんでした。
まに、まに、まに、間に合わなかった🦒

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