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【原神】考察に満たない雑記「マハールッカデヴァータとインド哲学における輪廻」

1.はじめに

こんにちはジャケと申します。みなさん魔神任務3章5幕は既にプレイしましたでしょうか?自分はボロクソに泣きました。感想はさておき、タイトル通りの話を進めていきます。この記事は魔神任務3章5幕のネタバレを大量に含みます。※次の文章からネタバレを含みます。




この雑記を書くに至った経緯は、マハールッカデヴァータによって「ナヒーダは輪廻後のマハールッカデヴァータ」ということを説明されたときにぼんやりと「そういえばインドにおける輪廻ってすごい重要な概念だったような」と思い出したことがきっかけです。インド哲学についてほとんど無知だったこともありネットで調べてみたことで色々と思うことがあったのでメモがてら雑記として書くに至りました。考察らしい考察はほとんどありませんので考察を期待した方は申し訳ありません。

また、本記事はスメールが実在する国であるインドから様々な着想を得て創られているという仮定のもと話を展開していきます。

2.インド哲学における『輪廻』とは

輪廻とは

輪廻(りんね)または輪廻転生(りんねてんしょう)とは、サンスクリット語のサンサーラに由来する用語で、命あるものが何度も転生し、人だけでなく動物なども含めた生類として生まれ変わること。日本語読みのリンネは、連声によるものである。「生まれ変わり」は大多数のインド哲学における根本教義である。
~中略~
サンサーラからの解放は、モークシャ(解脱)、ニルヴァーナ(涅槃)、ムクティ(脱;Mukti)、カイヴァリヤ(独存;kaivalya)と呼ばれる。インドの思想では、限りなく生と死を繰り返す輪廻の生存を苦と見、二度と再生を繰り返すことのない輪廻からの解放を最高の理想とする。
※wikipedia参照→輪廻

語義の変遷

サンサーラ(輪廻)は原義で「さまようこと、歩き回ること」を意味する。後代になると、「生まれ変わること」だけでなく、派生的な意味で「世界」(loka)という意味を持つ様になり、「周期的な変化」との意味を暗に含むようになった。
※wikipedia参照→輪廻

3.スメールの物語と『輪廻』

派生における意味「世界」

輪廻の派生した意味である「世界」ですが、やはりスメール編での「世界」と言えば「世界樹」ですね。そして『輪廻』における世界は"派生した"意味です。皆さん知っての通り樹は地に根を張り、枝を伸ばします。それが根から根へ、枝から枝へと派生している様を表しているようで、これがまさに世界樹を表しているのではないかと思いました。少しこじつけのような気もしますが、この派生形での「世界」という意味も世界樹を構想するにあたって着想を得たのではないかと考えます。

マハールッカデヴァータの解脱

上記の2項にも書いた通り、インド哲学では輪廻と同等かそれ以上に「解脱」という概念が非常に重要な意味を持っています。また、この「解脱」は上記の意味以外にもジャイナ教において「魂という存在にとって至福の状態」とされています。
ここで改めてマハールッカデヴァータの発言を見てみると、世界樹の前で話しているマハールッカデヴァータは、本体がまだ存命の頃に残した意識体のようなもの。

ある種の魂のような存在であると考えられます。世界樹の化身であるマハールッカデヴァータはその存在がある限り禁忌の知識を根絶することができない、すなわち死ぬことができない存在と化しています。そして、ナヒーダによってこのテイワット世界のマハールッカデヴァータという概念そのものを抹消することで禁忌の知識を根絶することができました。
輪廻はストーリーのテキスト中でも説明されましたが、セットとも言える概念の「解脱」は一切説明されませんでした。しかし、このマハールッカデヴァータの死にたくとも死ねない「輪廻」のような状態で世界が彼女を忘れたことこそが「解脱」だったのではないかと考えました。ジャイナ教における解脱は「魂という存在にとって至福の状態」とされていますが、マハールッカデヴァータの最後の表情はそれをよく表しているようにも見えます。

つまり、スメールの物語は「500年にも及ぶ草神の『輪廻』と『解脱』」だったのではないかと思います。


4.最後に

記事はこれで終わりになります。ナヒーダとマハールッカデヴァータと世界樹の物語はもう少しだけ続きそうなので今後の彼女たちの物語が楽しみです。
ここまで読んで下さりありがとうございました。


記事で使用した画像はこちらの動画からお借りしました。
https://youtu.be/nzXHfLdi9fM

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