ぱちんこ放浪記4【コラム】
※このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
ボーダー理論という勝てる理屈を知ってから僕はどんどんパチンコを打つようになっていた。しかし、理屈を知っていても実行できるかどうかはまた別の話、僕はエヴァンゲリオンしか打ってなかった。当時の情勢を考えると勝つためなら絶対海物語を打つべきなのだが、そもそも目にも入ってなかったと思う。
打つ台はエヴァか、たまになんか知ってる版権の台、こんな感じであった。勝てるかどうかでいうと話にならない立ち回りである。まぁエヴァは人気機種でもあったので、それなりにサービスされる事もあったが、あくまでそれなり。それなのにエヴァばっかり打っていた。当然勝てるようになるわけもなく。おかしいなー、回る台なら勝てるはずなのになぁ。なんて事を思っていた。
もちろん常にダメなんて事はなく、たまには大勝ちなんて事もあった。それとパチンコにハマった事によりあるスキルが上がり、それは今でも仕事に役に立っている。
雑誌にパチンコで勝つには店選び、と書いてあったので、名古屋市にあるパチンコ屋を全部回ろうと思い、ピーワールドで店を調べ、地図で具体的な場所を確認、その場所を直線で結び、最効率で回るにはどの道路を選べばいいのか、なんて事をやっていた。元々地図を読むのは得意だったがこれで更に強化された実感はある。地図読みスキルは仕事でもだいぶ役に立っているので何が役に立つのかわからんもんである。
どうせなら、パチンコで勝つ方法に本気になればいいのに、そっちに関してはわりと雑なままであった。前述のようにそれでも大勝ちする事はあるわけで……。その日は、ホール巡りの為の最効率な道を使ってサクサクとホールを回っていた。でもホールに寄ったら打ちたくなってしまうのがパチンカー、途中までは我慢していたが、夕方を過ぎたら我慢できなくなり、とあるホールで、少しだけ、と、エヴァを打ち出したらすぐに当たってしまう。
ここから怒濤の大連チャン、確か13連チャンくらいはしたと思う。そこで時間を取られてしまい、本日のホール巡りは中止、交換率は忘れてしまったが10万は勝ったと思う。そして換金所に行く時におばちゃんに声をかけられた。
「お兄ちゃん、それパチンコで出したの?」
「はい、そうですよ〜、ツイてましたね」
「わたし、パチンコでそんな出した事ないわー、スロットならあるけど、凄いわねぇ」
いやいやそんな事ないですよ、本当にツイてただけですよ。とその時は答えたが、僕はスロットは全く打たないので、これって凄いのか?もしかして僕ってパチンコ上手い?、ボーダー理論も知ってるしな。とアホな勘違いをしてしまう。
よし!明日もこのホールでエヴァで実戦だ!しょーもない決意をした後、換金した10万を財布にねじ込み、僕は帰路についたのだった。
サラリーマンのリアルな立ち回りとパチンコの面白さを伝えるnoteである!……できれば勝つ!(たまに横道にそれたりもする)