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ぱちんこ放浪記1【コラム】

※このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

僕は大学生になるまでは、パチンコが世の中にある事は知っていたが、打った事もなく、親も打たない人だったのでパチンコとは無縁の人生を送っていた。打つようになる前のパチンコの思い出はただ一つ。

小学生の頃、スキー旅行で行った長野の野沢温泉村にあるパチンコ屋で父の友人が、少し時間潰すわといってホールに入っていき、数十分で紙袋にお菓子をいっぱい入れてきた事だった。今では昔のパチンコを表現するのにベタや定番みたいな扱われ方をする紙袋にお菓子いっぱいという表現だが、僕のパチンコの原体験はそういうベタなものだった。

お菓子がたくさん貰えるゲームなんだ、と思ってハマったなんて事はなく、パチンコの思い出はそれだけで、ただ月日は通り過ぎていった。大学生になってからも、全く打つ機会はなかったが、ちらほら聞こえてきた話はあった。

それは、パチンコではなく、パチスロは勝てるという噂。何十万勝っただの、それで生活できるだの、景気が良い話をめちゃくちゃ聴いていたので、ふ〜ん、そうなんだ、儲かっていいねぇ、ぐらいにしか思っていなかった。僕はこの頃からお金に対して執着があまりなかったのでよし!僕も稼いでやる!とはならなかった。

パチンコやパチスロにも興味がなく、金を稼ぐ事にも興味がない、なんで打ってしまったのか、それはCR新世紀エヴァンゲリオンがきっかけである。多分この機種がなければ今でもパチンコは打ってなかったかもしれない。エヴァというコンテンツが好き。僕はパチンコを打った動機はその1点のみである。

そして、意を決してホールの中に踏み入れ、やり方もよくわからないまま、千円札を入れた。玉がジャラジャラと出てくる。隣の席に。そう入れる場所を間違えて隣に玉を出してしまったのだ。しょうがないのでヒョイッと横に移動して打ち始める。

そしてものの数分で1000円がなくなってしまう。成人前の大学生の1000円はまぁまぁ貴重である。この頃ならマクドナルドのチーズバーガーが10個は買えてしまう。なんてとんでもない遊びなんだ……、こんな遊びはとてもできない。エヴァは好きだけど、もう2度と打つ事はないだろうな、と思いながら僕は初めてのパチンコ店を後にしたのだった。

#パチンコ #ぱちんこ放浪記

サラリーマンのリアルな立ち回りとパチンコの面白さを伝えるnoteである!……できれば勝つ!(たまに横道にそれたりもする)