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【英文法の話011】第4文型と第5文型

今回は文型の残り二つ、第4文型と第5文型を一緒に見ていきましょう。バラバラで考えるより整理しやすくなります。

第4文型は目的語が2つ

第4文型は目的語が2つあります。第3文型にもうひとつ目的語を継ぎ足したような形になります。記号ではSVOOと書きますね(SVOOのうち、始めのOを間接目的語、2番目のOを直接目的語と呼ぶこともあります)。

例によって、第4文型を取ることができる動詞は決まっています。

☆第4文型をとる動詞
give, show, ask, buy, sell... など。
☆おおまかに「~を~に(~する)」という訳が作れる動詞は、第4文型になります。

giveを使った例文を見てみましょう。

☆I will give her my book. 私は彼女に本を挙げるつもりです。
→give が第4文型をとる動詞ですが、give の後の her が目的語その1、my book が目的語その2です。
→目的語その1には「~に」という訳を、目的語その2には「~を」という訳を当てます。

第4文型を第3文型に書き換える

第4文型で注意しておきたいのは、第3文型へ書き換えが可能だということです。例えばさっきの例文では、次のように書き換えが可能です。

☆I will give her my book.
→I will give my book to her. と書き換え可能。
→her と my book の位置が入れ替わっていることがポイント。目的語その2を先に書いて、目的語その1を前置詞(ここでは to)の後にかく。

この書き換えで厄介なのは、必要な前置詞が動詞によって異なるということです。上記の give の場合は to で良いのですが、例えば buy(~に~を買ってあげる)では for を使います。to を使うものの代表が give なので、こういうものは「give型動詞」と呼びます。同様に、forを使うものは「buy型動詞」と呼びます)。

☆to を使う動詞(give型動詞)
give, show, send, teach, tell, pay... など。
☆forを使う動詞(buy型動詞)
buy, make, cook, get, leave, play... など。

to と for の使い分けは「直接もののやり取りをするかどうか」にあるといわれています。

例えば give を使って、「本を彼女にあげる」という場面を想像してみましょう。あげるのですから、本が「直接」彼女にわたっているはずです。

一方で buy (「買ってあげる」ということ。I will buy her a book で「彼女に本を買ってあげる」です)の場合ですが、買う場合は、その物(たとえば本)がだれかの手元に行くわけではなく、いったんは買った人の手元にいき、それから「間接的に」渡されると思います。

つまり、「物は直接やりとりされる」場合は to、「間接的にやり取りされる場合」は for が使われる、というわけです。おおむねこのように考えてください。

第5文型は目的語+補語

最後に、第5文型は SVOC で表すことができ、目的語に補語が付いた形になります。

補語は第2文型でも出てきましたが、これは「何かの補足説明をする言葉」のことです。第5文型では、目的語の説明をする役割を持っています。

第5文型をとる動詞の例として、以下のものがあります。

☆第5文型を取る動詞の例
look, make, call, name, think, believe... など。
☆おおむね「OをCにする(Cととらえる)」という訳になります。

例文もひとつ見ておきましょう。make を使ったものです。

☆His words made me angry. 彼の発言で私は腹を立てた。
→me がO、angry が C です。

CとOの区別は?

第2文型と第3文型の区別でも似たような話がありましたが、第4文型と第5文型も、動詞の後に要素が2つ並んでいるので、ぱっと見はよく似ています。なれないと同じものに見えるでしょう。

第2文型と第3文型の区別でやったように、be動詞を補ってみましょう。be動詞を補って意味が不自然になるのが O なので第4文型、意味が通じれば C なので第5文型です。

☆I will give her my book.
→目的語の her と、my book の間にbe動詞を補って新たに文を作ってみる。
 →She is my book. となる(her は主格に変えてしまいましょう)。「彼女は本だ」というのは不自然。
→不自然なので my book は目的語、つまり上記の文は第4文型。

☆His words made me angry.
→me と angry にbe動詞を補うと、I am angry. になる(me を主格に変える)。「私は怒っている」という文になり、これは自然。
→つまり angry は補語。上記の文は第5文型になる。

文型で大事なこと

上記まで第1文型から第5文型までを見てきました。文型は英文法書の始めのほうに書いてあるのですが、きちんと理解するにはそもそも英文に慣れている必要があり、実は初学者にはハードルが高いものです。

慣れてしまえば文型は意識しないで英文を理解することができます(なので個人的には文型の知識は必須ではないと思っています)が、知っていると複雑な文の理解の助けになります。

また、文型の説明を始めたころにも書きましたが、「文型があって文がある」のではなく「動詞があって対応する文型があって文になる」というのが認識として正しいのです。動詞が文型を決めている=動詞によって対応する文型が決まっている、ということですね。どの動詞がどの文型を取るのかは要暗記ですが、がんばって暗記するのではなく、たくさんの英文に触れていく中で理解できるように心がけましょう。

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