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敷地内同居

義理のお父さんが育てているできたての無農薬の季節野菜はとっても美味しい。引っ越してくるまで、スーパーで買うものだったお野菜が、こんなにたくさん美味しく食べれるなんて夢みたいだ!!と思った。でも、おまけが付いてきた。それは、私が大嫌いな虫!!

葉っぱをめくれば、青虫君が『やぁ!!こんにちは』と顔を出す。ぎゃあああああああああああああ!!!とのけぞって叫ぶ私を見て、主人は慣れたもので、指でつまんで窓の外へポイっ!!と投げ、何か?って平気な顔をしている。私も早くそうなりたい・・・。

完全な農家ではないけれど、農家育ちだと自負する主人は、幼少の頃裸足で外を歩いていたらしく足の裏がカチカチに硬かったり、役目として薪でお風呂を焚いていたり、大工だった爺さんに道具の手入れなどを教えてもらったりと、私と5歳差とは思えないほど、古代?の生活を体験している。そんな主人の話を聞くのが、ワクワクしてたまらなく大好きなのだ。

小さい頃から役目を与えられて色々体験してきた主人と、核家族でわがまま放題に育ってきた私は何もかもが面白いほど正反対である。私が社会不適合者の嫌われ者だとしたら、主人は心が広くて人当たりの良い、マシュマロのような人物だ。余談だが、キャラも見た目もマシュマロみたいでとっても可愛い。私がどう頑張っても、主人の可愛さには到底及ばないと思っている。

おじいさん、おばあさんと一緒にいた子は優しくなるとどこかで聞いたことがあるけれど、心底、誰にでも優しい。そんな主人は、’’どんな虫にだって役目があってそこにいる’’と、いつも虫にわーキャー騒ぐ私に言ってくれる。自然の大きな循環の中で、自分の立ち位置が自然と身についているのだと思う。そんな主人がすごく素敵だと思う。

でも、嫁いできた私にとって、虫はとてもハードルが高く、いつも私を驚かしてくる、怖い存在なのだ。心拍数と血圧が上がるゼィ。


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