【技術系スタートアップ】海外最新M&A事例
海外の技術系StartupのM&Aってどんな感じなのかなーということで、最近のM&A事例見てみました。
公表日 :2018年8月
譲渡企業:Cartiva Inc.
譲受企業:Wright Medical Group
買収金額:435百万$
Cartiva社は、軟骨損傷や変形性関節症の治療のためのポリマーゲル型の軟骨を開発するベンチャー。2011年に設立され2016年にFDAから承認(外傷性関節炎の治療目的)を取得し、2018年度の売上は35百万$の見込み。ポリマーベースの軟骨は世界初で、生体本来の軟骨と構造が近いため回復が早く、また独自で手術用器具も開発し従来の手術よりも半分ぐらいで手術が終わる点が特長。患者にも医師にもメリットのある製品。
買収したWright Medical Groupは、整形外科用の治療機器を開発しグローバルで販売網を持つ大手メーカー。抜群のシナジー。
公表日:2018年7月
譲渡企業:Claret Medical Inc.
譲受企業:Boston Scientific Corp
買収金額:270百万$
Claret Medical社は、低侵襲な大動脈弁置換術であるTAVR(経カテーテル大動脈弁置換術)の手術中に生じる脳卒中リスクを低減するための医療機器「Sentinel System」を開発するベンチャー(2009年設立)。
TAVRの市場規模は2015年時点で18.79億米ドルで2025年には77.66億米ドルになると見込まれている成長市場。ただし、手術中にカルシウムや組織などの塞栓屑が発生し、それが要因で、手術を受けた患者の4%は脳卒中になると推定されている。Claret Medical社は、カテーテルを覆う独自のフィルタを用いて塞栓屑を捕捉し、塞栓屑が脳に進むのを防止。宇宙ゴミならぬ手術ゴミを除去する技術。2017年にFDAから承認を得たばかりの製品で、この目的の製品としては世界初。
Boston Scientificは言わずと知れたメガ治療機器メーカーで、TAVRも提供している。ということでこちらもベストな組み合わせ。
公表日:2018年7月
譲渡企業:Visterra Inc.
譲受企業:Otsuka America Inc.
買収金額:430百万$
Visterra社は、抗体構造をシュミレーションする技術をベースに抗体医薬を設計する独自の抗体プラットフォーム技術(Hierotope® platform)を開発するMIT発ベンチャー(2007年設立)。すでに具体的な臨床開発品も生み出していて、IgA腎症の治療を目的とした医薬品は、まもなく臨床試験に入る予定。大塚が重点領域に置いている、腎疾患、がん、神経疾患、感染症領域において開発候補品を有していることから買収に至った模様。
「世界初」、「薬事承認済」、「プラットフォーム技術」というキーワードのベンチャーは高い評価を受けてますねー。ではまたー
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