ルービックキューブ:3JPB法のすゝめ

 前回までの記事で解説したNJPBを今回は3x3x3:ルービックキューブの方にあてはめ、さらに自己流のやり方を解説・紹介していきます
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解法の進め方

 3JPB (3x3x3 Jack's Pairs & Blocks, 以降 JPBと表記する) はAPB, LEOR, CFOP, Roux, Mehta そしてZZの要素を含んだ解法です
基本的な進め方はLEORをベースにしており、発展系の解法となっています

JPBの大まかな動きはこのようになっています
 1. First Block の作成
 2. EO の作成 >> 1x2x3状態+EO全揃い
 3. WBLL >> 残りの2x2x3 + LL
となっています

 JPBは他の解法に比べて自由度が高く、3ステップ目は様々な方法で解釈することができます
また、解き方の幅広さから通常の3x3x3だけでなくOH・FMCにも応用できるので覚えておいて損はないでしょう

1.First Blockの作成

First Block

 First Block は Roux をやっている人には聞きなじみのある工程ですが、自分なりの解釈としては
 『利き手と反対側の一面に1x2x3のブロックを作る』 という感じです
この工程ではM列のセンターは気にせずに解くことができますが、色の順番が分かりにくい場合はセンターを見ても構いません。

 基本的に最初のインスペクションで読み込めていると次のステップに移りやすいです
コツとしては「センター+白エッジ」になっているものを利き手と反対にエッジが下向きになるように持ち、他の2ペアがどこにあるかを考えると見やすいかと思います

2.EOの作成

EO

 EOとは
『すべてのエッジを正しい向きにする』 というもの
ここでの『エッジの正しい向き』というのは上記の画像で青緑で示されている位置に上下面の色が、そのエッジに上下面の色がない場合は前後面の色があり、左右面の色が一つも向いていない状態のことです

この工程では次のようなルールに従うとかなりやりやすいです
(利き手を右手と仮定する)
 ・First Block を崩さないようにするので、使えるのはM, R, U, rのみ(M2やR'も含める。)
 ・上下面のセンターが上面にない場合はMまたはM'を先にする
コツとしてはまずR面にEOの正しくないエッジ(以降バッドエッジ)が何個あるか、M列に何個あるかと見ていくと良いです
 ここで例えばバッドエッジがRに3個、Mに2個のように足して奇数になる場合は(数えまちがえてない限り)ULエッジもバッドです

自分が使っているEO揃えのやり方を下に書いていきます
例に挙げられているもの以外は動きからバッドエッジを交換するという意識でやると解けます
書式:[R, M+UL]: {位置関係} 解
[1, 1]: {UF, FR} M' U R U' r'
[1, 3]: {UL, UF, UR, DF} M' U' M'
[1, 3]: {UL, UB, UR, UF} M' U2 M U2 M' U' M'
残りは組み合わせで[3, 3] や[4, 4]などが解けるようになります

3. WBLL

 WBLL (Wide Block & Last Layer) は残りの2x2x3と3層目を解くための方法をまとめたものです
ここで提示している方法はあくまで自分が楽だと思ったもののみですのでこれ以外の方法を開拓しても構いません

3-1. CFOP・ZZ・LEOR系

ZBLL

 この解き方の特徴は『中層を先に解く』ことにあります
自分は底面エッジが見つけやすい時によくします
ここでの扱える進み方は、( ()内は自分が解く時の目印)
  1. Middle Block >> Second Block >> ZBLL (DMエッジがそろいやすい時)
  2. Petrus Block >> Front Slab >> ZBLL (Petrus Block(コーナーに2x2x2を作る) が作りやすい時)
  3. Rest Cross >> F2L, ZBLL もしくは WVLS, PLL  (上下面に底面3エッジがすべてある)
  4. b-shape Petrus >> WVLS, PLL (上下面のいずれか一方に底面3エッジがある)
などがあります
WVLSについてはこちら
ZBLLについてはこちら

3-2. Roux系

Second Block

 この解き方の特徴は『利き手の面を先に揃える』ことにあります
自分は利き手面の3エッジがそろいやすい時によくやります
ここでの扱える進め方は
 1. Second Block >> COLL >> LRM[EO solved Last Six Edges] (利き手面3エッジが分かりやすい)
 2. WVLS >> CP, LRM (Second Blockが判断しやすいとき)
 3. Second Block >> Middle Block, ZBLL (Second Block後に中層が分かりやすい時)
などがあります
CMLL についてはこちら

3-3. FMC系

FMCをするときは次のように進めると楽かもしれません
 1. 6CO + Middle Layer Belt - Domino + First Block
  >> 6CP, 7EP 
 2. (EO中に中層を揃える) Domino Reduction
ここはあくまで個人の使用感なので使いやすさで決めましょう

サンプルソルブ

スクランブル:R2 L2 U B2 D' F L' B' D' R D2 R' F2 R' U2 F2 L' B2 U2 R2

解:
(z2 y) // インスペクション
D U R U' r' U' L U2 L' R2 U R' U F' // First Block
U r U r U R U' r' // EO
U' R U' r U2 r // Rest Cross
R' U' R U' R' U R // dBR insert
R U R' U' R U2 R' // Pairing
U R U' R' U R' U' R U' R' U2 R // WVLS 5
R2 U' R' U' R U R U R U' R // PLL Ua
U // AUF

スクランブル:F' B2 D2 U2 L' D2 R U2 R D2 L2 F2 R F' U' B' F2 L B2 R' F2

解:
(x2) // インスペクション
R B' R2' L U' D' F2 L2 // First Block
M' U M2 U R' U r // EO
U' r2 U' R U2 R' U' M U2 R2 r // Petrus Block
U R' U' R U' R' U2 R U' R U M' U2 r' // Front Slab
R2' F2 R U2 R U2' R' F' R U R' U' R' F' R2 // ZBLL T50
U' // AUF

スクランブル: L' U D' B R' D' L U2 B' D2 R2 D2 F' R2 D2 F' B' L' U2

解:
(y2) // インスペクション
L' D' U' L' U R D L2 R U F' // First Block
M' U' M' R' U M' U R' U' M' // EO
R' U' R' U R' U2 R' U2 R' U R' U2 R U2 R' U R U R' U R // Second Block
U R' U' R U' L U' R' U L' U2 R // COLL B6
U M U2 M' U' M' U2 M2 U2 M' // LRM
U2 // AUF

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