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【医療マガジン】かかりつけ医より…こんな医者にかかりた医!

医療マガジン『かかりつけ医より…こんな医者にかかりた医!』、スタートです。完結したら有料マガジンに移行しますので、今のうちに読んでくださいね。今回は、「まえがき・登場人物紹介・目次」をお届けします…。
それでは、いざっ!

まえがき

コロナショックで打ちひしがれているのは、飲食業界や観光業界ばかりではありません。悠々自適な在宅勤務でも収入が100%保証されている公務員や大企業組の一方で、中小企業以下のビジネスパーソンの多くが、今でもつぎの仕事や職場や働き方を追い求めています。
 
そして、意外に思われるかもしれませんが、医師とて決して例外ではないのです。首都圏でも開業医の経営状態は芳しくありません。とにかく患者が来ない…。一年でもっとも稼げるはずだったインフルエンザと花粉症の季節。そこに緊急事態宣言等による外出制限が重なったことで、資金繰りに奔走する開業医の姿も珍しくないのが実態です。さらに言えば、この状況は、例えコロナが過ぎ去ったとしても好転することはないでしょう。
 
大医、国を癒す
中医、人を癒す
小医、病を癒す
愚医、何も癒さず
 
いにしえの中国に、こんな感じのことばがありました。
 
糖尿病の患者を例に、現代に当てはめてみると…。
 
愚医は、薬を処方して血糖値を下げる
小医は、異常値をもたらした原因を問診で突きとめ、「暴飲暴食を控えよ」と告げる
中医は、問題行動の裏にある生活上のストレスを聴きだし、「適職が見つかりますように」とエールを贈る
大医は、意志あるものが職に就けない現状を憂い、政府の誤った経済対策に警鐘を鳴らす
 
こんな感じになるでしょうか。
 
翻って、巷の病医院はどうでしょう。そこにいる医師たちは、99%が愚医になってしまうかもしれません。ただそれは当然の話でもあります。現在の医療制度では、いくら患者の話を聴いてやったところでおカネにならないのですから。そんな暇があったら、次の患者を診察室に迎え入れたほうが得策なのは明らかです。
 
しかし、です。幸か不幸か、新型コロナのおかげ(?)で開業医も変わらざるを得なくなりました。何年もの間、従順に盲従していた生活習慣病患者たちが通院を控えたからです。挙句、クスリなんて飲まなくたって、イヤ、飲まないほうが健康になることに気づいてしまったからです。医師にとっては、まさしく不都合な真実が、白日の下に晒されてしまったわけです。

よって、コロナが収束しても患者は愚医のもとへ戻ってはこないでしょう。都市部では、すでにそれが数字に表れています。当社独自の聞き取り調査では、収益の8割以上を生活習慣病患者で賄っている病医院では、新型コロナが収束したとしても、通常時に比べて30%の患者減となる見込みです。内科・整形外科・皮膚科・眼科のいずれも似たような数値になります。
 
一方で…。2024年、財務省と厚労省は大鉈を振るいます。霞ヶ関でいうところのダブルインパクト。診療報酬と介護報酬の同時マイナス改定です。次から次へと襲来する感染症のことを考えたら、トリプルインパクトと言ってもいいかもしれません。愚医たちにしてみれば、患者減のみならず、患者単価までもが引き下げられるわけで、医療経営はかつてないレベルで厳冬の時代を迎えることになるのです。
 
こうした経営環境下で、団塊世代のすべてが後期高齢者(75歳)となる2025年。地域で生き残るために医師たちがしなければならないことは何なのか。もったいぶらずに言ってしまうと、それは天の声を聴くことです。八方塞りをブレイクスルーする唯一の手段。八方を塞がれた時は天を見ることです。
 
本マガジンは、医師にとっての天の声、つまり患者の声に基づいて綴られています。奇跡的に本マガジンにたどりつた医師のみなさんは、クライマックスで「究極のかかりつけ医」すなわち『かかりた医』に輝いた開業医モデルと同様の施策に取り組むことです。それで2024トリプルインパクトも2025年問題も乗り切れるはずです。
 
また、医療を利用する側のみなさんは、本マガジンに登場するキャラの尖った専門家たちのガイドに従って、かかりつけの医師や、これから出会う医師を厳しくチェックしてみてください。医師は患者がいなければ医師ではあり得ません。みなさんがお住まいの地域で生き残ることができる医師を選ぶのは、他でもないみなさん自身なのです。これを機に、惰性のように医師の言いなりになって何年も通院してクスリ漬けのようになってしまう愚から脱却してください。
 
医療を提供する側にも、医療を利用する側にも、おもしろくわかりやすく、かかりつけ医のあり方を具体的に書いていくつもりです。本マガジンがひとりでも多くの良医を増やし、ひとりでも多くの主体的な患者を増やすことを切に願っています。
  
2023年 太陽と風と雨のGW明けの晩に@新横浜
社会福祉士・医業経営コンサルタント 山崎宏

【登場人物の紹介】

世尾直子(せおなおこ)
本書のヒロイン。喜寿(77歳)。コロナをきっかけに孫に教えてもらったYouTubeで邂逅した情報番組『しらこわ ~知らなきゃ怖い現代ニッポン10の真実~』のキャスター・百田寿郎にハマる。そこから得た情報をヒントに人生最後の大仕事を見つけ、人生4度目のハタチに向け青春を取り戻していく。
百田寿郎(ももたとしろう)
YouTube配信の情報番組『しらこわ』の人気キャスター。代々医者の家系に生まれながら天衣無縫の青春時代を送り、毛嫌いする医者相手に商売しようと医療系コンサルティングで生業を立ててきた。コロナを機に、ひょんなことで同番組に携わることに。役所広司似のナイスガイ。52歳。
鶴田妃菜(つるたひな)
情報番組『しらこわ』のアシスタント。27歳。大学卒業後、幼稚園・保育園の教諭を経て、同番組のアシスタント公募で百田の目にとまる。幼少時に両親が離婚し、父親の記憶がない。ややファザコンの嫌いあり。プライベートでも、私設秘書として百田を支えているとかいないとか、ネット上を賑わせている。
華乃宮小町(はなのみやこまち)
情報番組『しらこわ』の準レギュラー。天海祐希似の、美しくも怖すぎる美容と健康の研究家。年齢不詳。医者に盲従して受動的な生き方をする人たちに警鐘を鳴らし、あるべき医療との接し方を説く。番組内でミシュランガイドならぬ「医シュランガイド」制作を宣言し、医療革命のムーブメントを起こしていく。
稲葉蒼(いなばあお)
百田のひとり娘。中学3年生。小学生時代に両親が離婚するも、百田との交流は続行中。月に一度、食事と小遣いを目的にやってくる。人気テレビ番組『ドクターX』にあこがれて、美しすぎる女医になることを夢見ながら、高校受験に挑む。父から「医師デビューしたら手を組もう」と求められ、結構まんざらでもない。
世尾眞(せおまこと)
直子の長男。50歳。志保と響介の父親。大手電機メーカーの人事部長。社員に介護離職が相次ぐ現状に、直子の老い先に不安を感じながらも言い出せずにいる。『しらこわ』で介護問題が取り上げられた際、老親リスク診断なる企画に興味を持ち、百田の著作やブログを読むようになる。
泉田美香(いずみだみか)
直子の長女。48歳。寛貴と萌の母親。専業主婦。義母の認知症に悩まされていた時に、『しらこわ』の視聴者相談で百田のアドバイスを受け、反対する夫を説得し、義母を施設に入れることを決断。以降、同番組のファンとなり、番組内で紹介された終活支援の専門職となるべく、第二の人生を歩みだす。
観音寺暁子(かんのんじあかつきこ)
横浜で社会福祉士事務所を構える。35歳。24時間365日対応の『シニア版いのちの電話』と、終活に係る啓発講座『生涯青春アカデミー』を運営している。『しらこわ』で取り上げられたのを機に相談者が殺到。認定資格『百寿コンシェルジュ』を創設し、円滑老後をフルサポートするプロの養成に着手する。
勝田永太郎(かつたながたろう)
情報番組『しらこわ』で医療をテーマに取り上げた際に、理想のかかりつけ医を発掘する『究極のかかりつけ医大賞』でグランプリに輝く。商売度外視で患者中心医療を実践する一方、彼の哲学に共鳴して集ってきた後進たちを真のかかりつけ医とすべく指導している。
駒田修吾(こまだしゅうご)
くるみ書房のオーナー社長。出版事業の停滞対策としてYouTubeに乗り出す。試行錯誤を経て『知らなきゃこわ~い現代ニッポン10の真実』を企画し、同番組のメインキャスターに高校時代からの親友である百田寿郎を抜擢する。
 
 【目 次
エピソード1 直子と百田寿郎の出会い
エピソード2 直子と華乃宮小町の出会い
エピソード3 妃菜と百田の出会い
エピソード4 眞と百田の出会い
エピソード5 暁子と百田の出会い
エピソード6 美香と百田の出会い
エピソード7 蒼と百田の絆
エピソード8 永太郎と直子の出会い
エピソード9 観音寺暁子と永太郎の出会い
エピソード10 直子の決断
エピソード11 クリスマスイブの奇跡!かかりた医賞
エピソード12 夢と希望のニューイヤーイブ!


というわけで、次回から早速、エピソード1突入で~すっ。
ヒヤ・ユー・ア~ッ!


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