【終活110番056】墓じまいブームがやってきた

墓じまいとは、お墓を撤去して更地にし、霊園やお寺の管理者にお墓を返すことを言います。文字通り、お墓を閉じてしまうことから、墓じまいと呼ばれます。 墓じまいが増えている背景に、昔に比べ、生まれた地で一生を送る人が減り、都市圏に人が集まっていることが挙げられます。また、子どもや孫、親戚が地元にいなく、高齢になりお墓参りも体に負担がかかりきつくなり、墓じまいをされる方も増えています。

墓じまいをするにあたって、想定される問題があります。お墓には故人の遺骨が安置されていますので、遺骨の引っ越しが必要になります。 新たに移す先のお墓がある場合は特に問題ありませんが、ゼロ葬や墓じまいをした後に、お墓が無い場合には何かしらの供養をしなければなりません。

自宅での保管以外にも、合同墓や納骨堂を利用するという方法もあります。
お墓はいらないという価値観の人には、とてもウケています。合同墓とは、他の方の遺骨と一緒に収める墓のことです。個人でお墓を建てる必要がないので、費用は数万円から数十万円程度で済みます。


お寺や霊園に遺骨を送り(送骨し)永代供養してもらうスタイルの場合、3万円ほどで済むこともあります。お墓を管理する親族が遠方に住んでいるなど、頻繁に足を運べない場合、寺院や墓地の関係者が管理してくれる合同墓は安心できる選択肢でしょう。

納骨堂は、寺院などの中にあり遺骨を預かって安置する場所のことを言います。埋葬ではなく収蔵による供養であり、墓石を購入するよりも費用は安くなります。建物の中にあることがほとんどであり、雨の日や雪の季節など、天候に左右されずいつでも訪れることが出来るところが長所です。

ところで、従来通りの方法でお墓を建てなくてはいけないのかというと、そうではありません。墓地として認められた場所以外へ埋葬しない限り、骨壺に入れた遺骨を期限なく自宅で保管することは法律違反ではないのです。お墓を持たない人やお墓を建てる余裕のない人が、自宅の仏壇の中などに骨壺を保管しているケースは、意外に多いものです。

近年では、手元供養という言葉も聞かれるようになり、遺骨の一部をペンダントに入れられるように加工し、持ち歩くという人も増えてきています。遺骨と離れがたいという人もいるかもしれません。そんな場合には、手元に置いておいいいたとしても、法律的には何ら問題のない供養法だということを知っておいてください。

ちょっとオシャンティーな供養の仕方としては、散骨があげられます。散骨というのは、遺骨を海や山に撒いて供養する方法のことです。木の根元に遺骨を埋める、樹木葬という方法もあります。亡くなられた方が生前に好きだった場所へ遺骨を撒きたいと希望する遺族も多くなってきています。埋めてほしい樹木を、生前にご自身で探しておく人もいらっしゃいます。

散骨には法的な決まりはないのですが、一般的に遺骨は粉骨して遺灰とした上で、散骨場所や周囲の状況に配慮することが大切になります。法的には問題がなくても、マナーの面で気を付けることが出てくる場合もあります。
粉骨作業を業者に依頼し、散骨だけを自身で行うということもできます。
散骨に関しては、自治体によっては禁止していたり許可が必要な場合もあるので、事前の確認が大切になってきます。たまに、いや、意外と多いのが、テキトーな場所にテキトーに撒いてしまうケース。お奨めできませんが、どうしてもおカネがないという場合には、コレ、法律違反であることを理解した上で自己責任でやってくださいね。

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