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ピンクリボン月間が終わったと思ったら

昨夜は動画収録で疲弊して23時過ぎに帰宅しました。が、その数時間後、お困りごとホットラインに着電があり、だれも取ってくれないようなので、寝ぼけ眼で対応することになりました。窓の外が白みはじめるまで彼女につきあって、そのまま寝つけずに今日が始まっています。

電話の主は、30代の女性でOLさん。案件は乳がんの再発でした。約3年前、特にしこりのようなものは感じなかったものの、知人と一緒に自治体の乳がん検診を受けたそうです。そこで運悪く(幸いにも?)早期がんが見つかって、内視鏡手術を行いました。ですが、半月ほど前に、定期検診からの精密検査(生体検査)で再発が確認されました。医者からはきわめて事務的に、「今回は全摘となることを覚悟しておいてもらえますか」と告げられました。

私としては、ここ数年はがんの相談がほぼなかったので、勝手に思っていました。もし仮に医者から「がんが発見された」と告げられたとしても、本人が痛くも痒くもないのであれば、従順に摘出手術など受け入れる人は、さすがに減ったのだろう……って。

電話の向こう側の深刻感が迫ってきて、次第に脳と目が冴えてきました。とにもかくにも、まずは彼女の話をしっかりと聴いてあげなきゃと思い、ベッドからデスクに移動します。「はじめに、お困りごとホットラインを知ったきっかけと、実際に電話してくださった目的について、教えていただいてもよろしいですか?」と伝えつつ、コーヒーを入れにかかります。そうしてから本腰を入れ、彼女と向き合いました。3時間越えロングランの幕開けです…(苦笑)。

ところで、最新の人口動態統計(厚労省、2022年度)によると、ざっと160万人の死亡者のうち、がんが25%、心筋梗塞が15%、肺炎が(誤嚥性のものも含めて)8%、脳梗塞が7%です。あと、個人的に理想的な最期だと考えている老衰が11%。この10年で桁違いに老衰死が増えています。延命治療をはじめとする過剰医療がだいぶ減ってきたのかな…とポジティブに受けとめています。

で、40年以上も死因の絶対王者として君臨しているがんですが、女性に限っていうと、過去20年連続で大腸がんが死因のトップです。50代以降、高齢になるほど罹患者が増えていきます。これについては、私はずぅ~と、ケーキブッフェ・デザートブッフェ・パンブッフェに代表されるような(あと、チーズとか)乳製品の過剰摂取に警告を続けています。若い頃の悪習慣が数十年して発症するわけですから、10代・20代のお嬢さんがいらっしゃったら要注意です。

ただ、罹患数としては乳がんがトップ。どうしても、東京タワーを桃色にしちゃうピンクリボン運動のことが連想されてきます。そして、ピンクリボンと言えば朝日新聞社です。乳がんの早期発見・早期治療の啓発と集客の手段として、大々的にピンクリボン運動を後押ししています。

同時に、がん検診事業の最大組織である「日本対がん協会」(設立1958年)にも積極的に関わっています。同協会の理事長以下、主要ポストはほぼ、元朝日新聞社幹部の指定席です。
ホームページでも「2003年から朝日新聞社と一緒にピンクリボン月間の10月にピンクリボンフェスティバルを開催しています。各地でスマイルウオークやシンポジウム、セミナーなどを実施して乳がん検診の受診を呼びかけています」とPRしています。

要するに、朝日新聞社はがん検診事業とどっぷりです。その結果として、「女性たるもの、乳がん検診は受けるもの」という刷り込みがなされ、さらにその結果、過剰診断による無用な過剰治療が多くの女性を傷つけている…という側面があると私は認識しています。

乳がん検診は受けなければいけないんだという思い込みは一旦捨ててください。痛くも痒くもないのだったら、無理に乳がん検診に行かなくってもいいじゃないですか。はじめてであった医者にジロジロ見られたり触られたりする嫌悪感。それによるストレスは半端じゃないと考えます。乳がん検診を受けないという選択肢もあるということを知っておいてほしいですね。

過剰診断が深刻なのは、医者から「念のため」と言われて、本来不必要な治療を受ける人が少なくないという点です。具体的には、無用な手術、放射線、ホルモン療法、抗がん剤治療などです。これによって、その後の人生がいかに過酷なものになってしまったことか…。

たとえ内視鏡手術で傷跡がどんなに小さかったとしても、予後治療としての抗がん剤は確定です。抗がん剤の成分には、化学兵器としても使用された強烈なポイズンも含まれています。つまり、がん細胞を殺すと同時に、それ以外の健康な細胞にまで悪さを働くということです。つらい副作用のみならず、別の場所にあらたにがん細胞を生んでしまいかねない…。これが、がん産業の世界で『抗がん剤は増がん剤』と言われている由縁です。

電話をしてきてくれた彼女には、通常の対応通りセカンドオピニオン、サードオピニオンを受診して主治医所見の信憑性を確かめるよう勧めました。ですが、それとは別に、人生を長い目で見た時に、がんを作ってしまったライフスタイルの見直しをしてみたらどうか…というお話をしました。

あと、彼女の受け答えの様子がだいぶ明るくなってきてからは、知人の医者から聞いた『乳がんは左か右かで意味が違う』という話をしました。

左側に発症する人には、周囲にやさしい思いやりのある自己犠牲型が多いこと。発症のきっかけとして、過去半年から一年の間に短期集中的にハードワークをしたことがある。その結果として、過度の肉体疲労を招いてしまった…。そう振り返る人が多いとのこと。要は、過剰な肉体的ストレスが原因という仮説が成り立ちます。

一方、右側の場合は、がんになった原因について心当たりがほとんどない。仕事熱心で上昇志向でしっかりとした価値観や目的意識を持った強い性格の人が多い。また、家族関係(特に夫、つぎが義父)で問題を抱えている場合が多いそうです。

すると彼女は、「私…左なんです…当たってます…会社でもノーが言えないんですよね…」と。医者の言うこともたまには当たるのだなぁ~と、ちょっぴり感心しましたね(笑)。

なお、結論としては、まずは帯津三敬塾クリニックでのセカンドオピニオン外来を段取りすることになりました…。流れ的には、同行することになりそうです。その時は、メトロポリタンでお茶でもしながらお喋りできればと思っています…。

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