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かかりつけ医(開業医)に読んでほしい本

前回に続いて、本の紹介第2弾です。
 
読者のみなさん、お仕事のほうはいかがですか?
コロナショックで打ちひしがれているのは、飲食業界や観光業界ばかりではありません。悠々自適な在宅勤務でも収入が100%保証されている公務員や大企業組の一方で、中小企業以下のビジネスパーソンの多くが、今の仕事や職場からの脱出を模索しています。
 
そして、意外に思われるかもしれませんが、医師とて決して例外ではありません。首都圏でも開業医の経営状態は芳しくなくて、とにかく患者が来ないのです。一年でもっとも稼げるインフルエンザと花粉症の季節ですが、この3年は緊急事態宣言による外出制限やら自粛やらが重なったことで、いまや資金繰りに奔走する開業医の姿も珍しくないのが実態です。さらに言えば、この状況は、例えコロナが過ぎ去ったとしても好転することはないかもしれません。
 
いにしえの中国に、こんな感じの諺がありました。
 
大医、国を癒す
中医、人を癒す
小医、病を癒す
愚医、何も癒さず
 
現代に当てはめるとどうなるか。
糖尿病の患者を例に考えてみます。
 
愚医は、薬を処方して血糖値を下げる

小医は、異常値をもたらした原因を問診で突きとめ、「暴飲暴食を控えよ」と告げる

中医は、問題行動の裏にある生活上のストレスを聴きだし、「適職が見つかりますように」とエールを贈る

大医は、意志あるものが職に就けない現状を憂い、政府の誤った経済対策に警鐘を鳴らす
 
こんな感じになるでしょうか。
 
翻って、巷の病医院はどうでしょう。そこにいる医師たちは、99%が愚医になってしまうかもしれません。でも、それは当然の話です。現在の医療制度では、いくら患者の話を聴いたところでおカネにならないのですからね。そんな暇があったら、次の患者を診察室に迎え入れたほうが得策なのです。
 
しかし、です。幸か不幸か、新型コロナのおかげ(?)で開業医も変わらざるを得なくなりました。理由は、長きにわたり従順だった高齢の生活習慣病患者たちが通院を控えたからです。挙句、クスリなんて飲まなくたって、イヤ、飲まないほうが健康になれることに気づいてしまった!というわけで、コロナが収束しても患者は愚医のもとへ戻ってはこない……。都市部では、すでにそれが数字に表れはじめているのです。
 
2024年。財務省と厚労省は大鉈を振るうことが確定です。霞ヶ関でいうところのダブルインパクト。診療報酬と介護報酬の同時マイナス改定のことです。次から次へと襲来する感染症のことを考えたら、トリプルインパクトと言ってもいいでしょう。となれば、愚医にしてみると、患者単価が下がるだけでなく、患者数もますます減っていくわけですから、まさしく、医療経営は厳冬の時代を迎えることが予測されます。
 
とは言え、これまでの貯えで生涯安泰の愚医は別に構わないかもしれません。問題は、この先まだ云十年と医業を続けていかなければならない還暦以下の愚医たちです。団塊世代をはじめとする患者たちの情報武装化はかなりのものです。健康をまもる術など、インターネットならタダで手に入るし、認知症リスクを高める「薬漬け」の罠には引っかかりません。愚医にとっては釣り堀同然だった健診・検診にも疑心暗鬼です。手術のハードルはもっと高くなることでしょう。さぁ。愚医たちは、一体どうすれば生き残っていけるでしょうか?

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今回の記事を感度良好な開業医の人が読んでくれていたとしたら、この本をおすすめします。トリプルインパクトを乗り切るための具体的な方策が、患者視点で詳しく書かれています。是非参考にして戴いて、地域で選ばれるドクターに、地域になくてはならないドクターになっていただければ幸いです。

【参考動画】
開業医が観ざるを得ない動画【2025年診療モデルとは】 - YouTube

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