ウンベコ
人間は窮すれば何でも食べてしまうらしい。
秋田県男鹿半島入道崎の突端に住んでいる知人と一晩ゆっくり話す機会があった。
最近は道路が整備されてきたが、以前は陸の孤島で台風などが来て船が出せなくなると、外界との連絡が取れなくなり、閉じ込められた状態になると言う。
何日も閉じ込められると食料が底をついてくる。そうなると海岸に打ち上げられたものを食べるしかない。
「海藻や小魚などは抵抗なく食べることができるが、ウンベコだけはどうしても食べることが出来なかった。」と言うような意味の言葉を喋る。
彼の訛りがひどくて、聞こえる言葉の意味があまりよく理解できない。何度も聞き返してようやくそれらしき意味にたどり着くわけだ。
「『ウンベコ』て何?」と聞いてみたら方言で『ウミウシ』のことらしい。
「そうだよね、あれは食べる気が起きないよね」と言ったら「本当に何も食べるものがなくなった時に目を瞑って食べてみた。」とのこと。
「とっても美味しかった」と彼は言う。「機会があったら食べてみたら」と言われた。
海へダイビングに行った時、『ウミウシ』を見かけることがあった。しかしあの綺麗な色を見ても食欲は湧かない。いまだに食べたことはないが、どんな味がするのだろうか。
そもそも、ウミウシってなんだろう?疑問に思い調べて見た。
-アメフラシとウミウシの違い-
アメフラシとウミウシは、やわらかくて、姿も似ていますが、何が違うのでしょう?
どちらも貝の仲間ですが、ウミウシの仲間は、体の中の貝殻が退化してないものがいます。
食べ物として、アメフラシはワカメなどの海藻を食べるベジタリアンですが、ウミウシは海綿やコケムシといった動物を食べています。(環境省HP)
貝の仲間なら美味しいのかもしれないが、今の所食べてみる気は起こらない。
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