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アメリカはなぜ日本を見下すのか?

面白い題名の本を見つけた。「アメリカはなぜ日本を見下すのか?」
アメリカ人が言ってると言うことは、やっぱり日本人を見下しているんだ。

日本人側から書いたこのような書籍は時々目にしたことがある。
差別しているアメリカ側からの視点は非常に興味がある。

ざっと、一気読みをしたところ、やはり宗教が原点にあるらしい。
この世の戦争はほとんど、宗教が起こしているので納得がいく。

著者の Jason Morgan (ジェイソン・モーガン)はカソリックの信者で、歴史学者で、日本の研究者である。

彼が宗教批判をしているのでその視点に興味が湧く。

日本人にとって難解なキリスト教の説明も、わかりやすくなされている。

男でも女でも、ユダヤ人でも、ギリシア人でも、分け隔てなく、イエス様の復活を信じて秘蹟(洗礼、堅信、聖体、許し、病者の塗油、叙階、結婚)を受ければ救われるという宗教だった。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

これがキリスト教の原点らしい。間違いを起こすのはこれからだ。先を進めてみよう。

イギリス王国におけるプロテスタントの誕生
ヘンリー王はどうしても自分の妻と別れ、違う女性と結婚したかった。しかしカトリックでは離婚が厳しく禁止されている。(中略)
ローマ法皇に粘り強く嘆願したのだが、結局は認められなかった。
そこでヘンリー王は教会を分裂させて、キリスト教本来の教えを引き続き教えていた神父と司教を殺させたのだ。
こうして国家統治者を首長とするイングランド教会が生まれた。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

分かりやすい。イングランド教会とは何なのかわからなかったが、スッキリした。離婚をしたかった国王が離婚するために設立した教会だったのだ。

「宗教の自由を求めて」の嘘
アメリカの学校では「清教徒は宗教の自由のためにアメリカ大陸に来た」と小学校のときから何度も教わるが、それは違う。(中略)
確かにジョン・ウィンスロップはイギリスの王に宗教の自由を求めた。しかし本人は宗教の自由を周囲の人々に与えていない。(中略)
プロテスタント同士なのにお互いに宗教の自由を与えなかったために、アメリカは州が多いのである。邪教がもたらす結果は散乱と分裂である。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

一瞬でアメリカの宗教観が理解できた。カソリックはプロテスタントを邪教と決めつけている。

独善的な説教「丘の上の町」
自分たちこそが神に選ばれし民であり、自分たちが理想的な社会を作るのだと主張するだけだった。
自分たち以外のことは何も考えていないことがよくわかる。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

英語の成り立ちからも理解できる考え方だ。相手の立場を考えない。自分の言いたいことだけを言う。相手のことは You だけだ。君でもお前でも貴方でもてめえでもないただ一言、 You 、相手は誰でも良い、自分のことだけ考えて。
マルクス・ガブリエルが「相手のことを考えた方がいいのではないか」と最近言い始めている。

ペリーは今でもアメリカでは英雄として覚えられているが、彼こそ海外の野蛮国を開いてやると日本を開国させたリベラル派の典型なのだ。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

過去や伝統を軽視するリベラル派
特に日本のように天照大神から始まり、神武天皇を経て、2600年以上の歴史を持つ万世一系の皇室はリベラル派からすれば「あり得ないほど反動主義的復古論者」になる。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

人間扱いされなかったアメリカ・インディアン
最終的に連邦政府はチェロキー族に対して、彼らが所有していた土地を奪い、ミシシッピ川の西側のインディアン準州(現オクラホマ州)に強制移住させた。(中略)
この「涙の道」では、子どもや女性、老人を含む約4000人が、自称「親」のアメリカ人によって殺された。

アメリカはなぜ日本を見下すのか ジェイソン・モーガン

アメリカの戦い方は、女子供から先に殺すので手に負えない。
通常、戦争は兵隊同士で戦うものだが、アメリカは非戦闘員から殺していく。
アメリカは騎兵隊が陽動作戦でインディアンの戦闘員を誘い出し、背後から留守を守っている女子供を殺した。
さらにアメリカは先の戦争で、日本の都市の絨毯爆撃をして女子供を殺し、兵隊の気力を奪う作戦を敢行した。

アメリカの州が多いのはプロテスタントの内部分裂が原因だったのだ。
その分裂した州の中でも今度は民族間で分裂居住している。例えば、中華街、イタリア人街、ユダヤ人街、メキシコ(ラテン系)など多数複雑に分かれている。

他の民族を認めずに自分たちだけの社会を築いている。友人のユダヤ人とレストランに行くと明らかに差別されているのが実感できる。

レイシストの国アメリカ、日本を見下している国アメリカと、付き合っていくのは非常に困難な作業だ。
約束を守ることが前提の日本と、約束は破ることが前提の外国と交渉していくのは本当に大変なことだとおもいます。
政治家の皆さんの日頃のご苦労に感謝します。




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