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鬼とは

一昨日の記事を書いていて『鬼の首』について考えてしまった。

鬼のイメージを辞書で探ってみると

〔姿が見えない意の「隠」の字音「おん」の転という〕
①(天つ神に対して)地上の国つ神。荒ぶる神。
②人にたたりをする怪物。もののけ。幽鬼。
③醜悪な形相と恐るべき怪力をもち、人畜に害をもたらす、想像上の妖怪。仏教の影響で、夜叉・羅刹・餓鬼や、地獄の獄卒牛頭・馬頭などをさす。牛の角を生やし、虎の皮のふんどしをつけた姿で表されるのは、陰陽道で丑寅(北東)の隅を鬼門といい、万鬼の集まる所と考えられたためという。
④放逐された者や盗賊など、社会からの逸脱者、また先住民・異民族・大人・山男などの見なれない異人をいう。山伏や山間部に住む山窩などをいうこともある。
⑤子孫の祝福に来る祖霊や地霊。
⑥死者の霊魂。亡霊。「護国の━となる」
⑦㋐人情のない人。冷酷な人。
 ㋑(「心を鬼にする」の形で)気の毒に思いながらも冷酷に振る舞うこと。
⑧非情と思われるほど物事に精魂を傾ける人。「文学の━」「仕事の━」
⑨鬼ごっこや隠れんぼなどの遊びで、人を探しつかまえる役。
⑩貴人の飲食物の毒味をする役。おになめ。おにくい。鬼役。「鬼一口の毒の酒、是より毒の試みを━とは名付けそめつらん/浄瑠璃・酒吞童子枕言葉」

大辞林

多くの概念が混ざり合っていて、全体像が掴みにくいが、『神秘性があって怖いもの』のイメージが強い。

もっとわかりやすい説はないかと探してみたところ、素晴らしい解説を発見した。

神は鬼——よく祟り、よく恵む
「神」とは、かっての日本人にとって、大自然の象徴であった。雨が降れば、作物が育ち、恵みがもたらされる。雨を降らせてくれるのが「神」であれば、旱魃も「神」のしわざであった。さらに大雨となれば、田畑や人家は流される。
それは「恵みをもたらす有難い存在」であると同時に、「禍をもたらす恐ろしい存在」でもあった。つまり人間から見たところの前と悪をあわせもち、それを超越した存在が、「神」の本来の姿なのだ。

天皇諡号が語る古代史の真相 関裕二

古来日本においても、「鬼」という言葉や文字に、これを貶めるような意味合いはなかった。むしろ「鬼」は、畏怖し、崇め尊ぶべき対象である。だから、豆まきの「鬼は外」は後世に造られた慣習である。

天皇諡号が語る古代史の真相 関裕二

簡潔に要領よくまとめてくれているので、理解しやすい。

ページをめくっていると、伊勢の神は、男神 という見出しを見かけた。
昔から、なぜ伊勢神宮に斎王がいるのか不思議であったが、これなら理解できる。
どのように証明しているのかこの本を熟読してみよう。

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