一杯の掛けそば
会議が長引いて夕飯時になった。お昼も簡単に済ませていたのでお腹が空いた。夕飯の出ない会議だったので食事にでも行くかなと思い、会議の参加者の顔を見渡してもこれから食事に行くという雰囲気ではなかった。仕方がないので帰宅することにした。
急いだけれど、夕食に間に合わなかった。妻は食事を済ませたばかりで「食事は出なかったの?何もないよ」と言っている。仕方がないので外食にしようと思ったが、8時を回っている。お腹にもたれても嫌だし、行きつけのお店ももう閉店になる頃、「ラーメンにでもするか」と決めた。
私が一人飯は大嫌いなのを知っている妻が付き合ってくれることになった。妻はお腹が一杯「もう何も食べれない」と言っている。ラーメンを一つと餃子を一皿頼んだ。
注文品を届けに来た店員が、取り分け用のお椀を持参して来た。きっと『一杯のかけそば』の話を聞いた心の優しい店員さんだと思う。
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