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餃子

無性にギョーザが食べたくなった。

そこで、スーパーに行って、餃子を探したところ冷凍ものがたくさん売っている。裏返して添加物の欄を見る。『アミノ酸』と書いてあるものが多い。これを除外すると、買いたいものが全くない。別の店で探すことにした。

別の店でもやはり『アミノ酸』と書かれたものが大半だ。一個だけ『』の付いていない『アミノ酸』とだけ書かれたものがあった。しかたがないのでこれを買って帰った。

美味しくいただいたのだが、翌朝、口の中のエグ味に閉口した。『アミノ酸』を省略して『アミノ酸』と書いてあるのだ。この『塩』が悪さをするのだ。ここは記述を省略して欲しくない。

この添加物『アミノ酸(通称)』を日常極力取らないように気をつけているが、今回のように食べてしまうと困ったことになる。口の中のエグ味がずっと続いて不愉快になる。

そこで無い物ねだりをしても仕方がないので手作りをしてみる気になった。

作り方は昔、中国人の張さんが目の前で作ってくれたのをイメージしている。張さんは歓談をしていたテーブルの上の灰皿、本、新聞等を脇に追いやり、いきなりテーブルに小麦粉をぶちまけた。

粉を盛り上げドーナツ状に真ん中に穴を開け、水を入れ、いきなり素手でコネ始める。手は確か洗っていないと思う。テーブルも拭いていない。そのこねた粉から器用に皮をこしらえていく。

「汚いじゃない」と言ったら「大丈夫、火を通すから」との頼もしい返事。

ボールを大家に借り受け、ミンチ肉とニラ、白菜を入れてこね回して餡を作る。まな板も使わない豪快な料理だ。「ニンニク入れないの?」張さんは「入れる人もいるけど中国ではニラを使うよ」、「キャベツじゃないの?」張さん「中国では白菜を使うよ」との明快な答え。

テーブルコンロにお湯を沸かし、餃子を放り込む。「2度浮かんだら食べられるよ」食べるタイミングを教えてくれている。

餃子は温まり火が通ると浮かんでくる、そこへ水を差す「びっくり水」だと思う。そうすると餃子は沈む。温まりもう一度浮かぶとまた水をさす。「この次浮かんだら食べていいよ。」と言われた。

餃子は3度浮かんでいるけどそのことは言わずにおいた。本当に美味しくいただいたことを思い出している。

餃子は焼餃子もおいしいけどやはり普通の餃子の方が好きだ。



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