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鉢の木

香港在住の友人は華僑で実家が広州仏山市にある。実家を見に行くとのことで同行した。仏山市の人々は穏やかでいい人ばかりだった。

道中色々話をしたが、広州の言い伝えで「親を食べてはいけない」というのが有るそうだ。『広州の人は飛んでいるものは飛行機以外、4つ足は机以外は食べる』と聞いたことがあるが、親に関しては初耳だった。

昔読んだ水滸伝、三国志演義、聊斎志異、金瓶梅にも記述されていたと思うが、客人をもてなす料理材料がない時に自分の奥さんを殺して肉料理を供したという美談がある。中国人は美談と感じ、今に語り継がれている。

親を食べてはいけないということはこの歴史的美談を裏付けているものだと思う。やはり情報は受け売りでなく、自分の目や耳で見聞きしたものは理解の深度が違う。

日本に話を移すと、客人をもてなすのに何も持っていない侍は一杯の白湯で接待したという。帰り際に客人が玄関脇にあった見事な盆栽がことごとく焚きつけにされていたことを見て感動したというのが現代に伝わる『鉢の木』である。

余談だが私は梅の木を剪定して庭に広げ、乾燥させている。1ヶ月経っても乾燥が十分でなくストーブでも使えない。盆栽を囲炉裏にくべたら火が消えてしまうと思うのは私だけか。

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