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真空管アンプ

30年ほど前マイクロコンピューターの手作りに飽きた頃、オーディオ製作にハマった。リズムの研究をしていて、音楽も少しやっていたので、簡単なトランジスター式アンプを作ってみることにした。中学校では真空管アンプ作りをしていたので、多少の知識はあったが、ノイズの発生に影響の出ないラインの引き回しとか、コンプリメンタルな石を探したりとか結構時間をかけた。結論、特性の良い石は大メーカーが独占し選別に漏れた石がパーツ屋に出て来る。素人にバランスの良いアンプは作ることは非常に困難である。音響メーカーの作成したものの方が安くて良い音がする。ということに気付き、日立から Mos-FET の素晴らしいパワーアンプが出ていたので、これを購入した。アンプ筐体に直接可変抵抗器を取り付けプリアンプなしで、楽しんでいた。

バンドの仲間に真空管アンプにはまっている人がいる。「真空管が安かったから手に入れたよ。」「これから業者に持ち込んで回路を引いてもらってアンプを作るよ。」楽しそうに話すので、真空管に興味を持ち始めた。20年前に作っていた真空管パワー・アンプが倉庫から出できたのでプリアンプをつけて聞いてみようと思った。別の友人が「中国製の真空管アンプが最近良いよ」と言うものだから、取り寄せて見た。片チャンネルの音が出ない、即日返送した。弱っていたら50年前のラックスの真空管プリアンプが売りに出てた。取り寄せてみると使えそうなのでボリュームの接点を復活させて薬剤洗浄除去した。奮発してオイルコンデンサーをオレンジドロップに取り替えた。他の電解コンデンサーも総替えした。

スピーカーボックスは35年ほど前に、指物大工だった義父に36mm厚のコンパネで組んでもらった。90x45x60なので一人では動かせない。ウーファはパイオニアの38cm 、大事なスコーカーは三菱p-610 、ツイーターは35000Hzまで再生可能なものにした。ネットワークは自作の方が良いので12db で作った。もう一つのスピーカーのネットワークは6dbで組んで見た。ウーファはJBLの38cm 、箱は息子の同級生の一級建築士に作ってもらった。スコーカーはやはりp-610、箱は京都の竹製品屋さんで竹の合板を作ってもらい指定寸法にカットしてもらった。ツイーターは聴覚で識別は難しいので適当に選択、多分フ***クス。この2つのスピーカーシステムをJAZZ用とボーカル用に使い分けている。計算上16Hzから 35000Hz まで聞こえると思うが音楽的に耳で聞きとるのは 8500Hz くらいまでだと思う。

グレングールドはスタジオ録音したものしか聞かせなかった。チェルビダッケは録音させなかった。二大音楽家がこのように極端に音楽表現にこだわったように。人の意見は千差万別で面白い。アンプ制作者は音楽よりもアンプの音に興味を持っている。私は演奏会が好きだ。ウィーンフィルハーモニーの70人ほどのユニソリでpppを聴いた時の感動が忘れられない。決して録音できないし再生もできないだろう。


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