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飛騨川

飛騨川水系を走って見て、あまりの美しさに車を止めた。

緑に清らかなせせらぎ、河原にはキレイな丸石が転がっている。

遠くの緑を眺めていると、柿の葉が目についた。

秋には美味しい実がなる柿だが、葉の力が素晴らしい。

柿の葉の殺菌力は有名で、柿の葉ずし作りに利用されている。

すぐに奈良県下市口の『山十』を思い出した。

天河神社、熊野本宮大社に通っていた頃に巡り合った店だ。

ここからは奈良県を目指すと、道中長いので小腹が空くことがある。奈良県はご承知の通り、美味しい食材に巡り会うことは少ない。

そこで、当たり外れの少ない、無難な柿の葉ずしを弁当がわりに持ち歩くことを、思いついたのだ。

現地に行くとあまり知られていないメーカーのものが各種売られているが、どれを買うか選択に迷った。

そこでいつも2軒以上の違う店を選択して、いろいろ食べ比べることにした。

20年ほどかけて、20数軒のお店を周り、柿の葉ずしを買い求めて食べ比べたが、ある時、とんでもなく美味しいものを見つけた。

以来迷わずにここの物を限定して購入することにしている。

柿の葉ずしの保存は、「決して冷蔵庫に入れないように、冬場はこたつに入れること」と教えてくれたのもこのお店だ。

横に乗っている妻に、「今から奈良へ買いに行こうか?」

と言ったら、露骨に嫌な顔をされた。「往復で8時間かかるので疲れる」、とのことだった。

家庭平和を考えて、行くことを中止して、電話連絡をしたところ、快く宅配してくれることになった。






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