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ボタ山の火事Ⅱ

佐賀県多久市のボタ山火事について追加考

適量の水は加湿と乾燥を繰り返し石炭に対して助燃剤として働くので放水を続けている以上鎮火は望めない。多久市には天然温泉(タクア)が存在する。元来地中温度が高いのかもしれない。

北九州市立大の上江洲一也教授が言っているように「石炭は一度熱を持つと冷めにくい」性質を持っている。解決策として

① 石炭層が燃え尽きれば鎮火するのでそれまで放水を続けて燃焼させてしまう方法がある。但し地層を調べないと、いつまで、どこまで燃焼が続くのか判断がつかない。

②延焼方向に先回りして石炭層を掘削分断し、草薙剣方式で延焼を食い止める。

放水を続けている現状では鎮火は望めないので次善策を考えてみた。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigentosozai1953/87/996/87_996_161/_pdf      石 炭 の 着 火温 度,自 然 発 火 所 要時 間 と水分 の 関係
□ 田代 裏 ・河野 信 ・高桑 功第6表 高松炭107°C におけ る残存水分水分に差 が あつ て も,100°C 以上 では石炭 は乾燥す るので,dθ/dtは 等 し くなると考 えられ るが,送 入 してい る酸 素の湿 度のた め石炭 は100°C 以上 に なつて もい くらかの残存水 分 をもつてい るた めdθ/dtは 等 しくな らない。例 えば高松炭 を断 熱装置 と同 じ実験 条件 で水 蒸気 を含 んだ窒 素 を送 入 しなが ら107°C に保 ち,18時 間後残存水分を分析 す ると第6表 のよ うにな る。表 か ら送入 ガスの湿度 によ り石炭 の残存水 分 に差が あることがわか る。 この差 だけ酸素 と反応 す る石炭 の表面積 に差が あ り,そ の分だ けdθ/dtに 差 がで きるのではないだろ うか。もしNandy,Hodge,Grahamら の報告 の よ うに,石炭 中に僅かの水分が あつ た方 が 自然発火 しやす いのであれば,第9図 にお いて1000C以 上 においてdθ/dt-1/T°K曲線 はA,B,C,D,Eの 順 にな らぶ こ とはないはず である。以上 か ら石炭 は固有水 分の蒸発 量が少ないほ ど反応 表面積 が小 さ く,こ のた め反応熱 も小 さ くな り,自 然 発火所要時間 は長 くな り温度上昇速度 はおそ くなる と推定 され る。4.ま と め石炭 の 自然発火 と水分の関係 を明 らかにす るた めに一連 の実験 を行 ない第1報 では着火温度,自 然発火所要時間について報 告 した。結果 を要約す ると,次 の通 りである。(1) 石炭 の着 火温度は酸 化 しない よ うに して乾燥 させ た ときが最 も低 く,全 水分が増す と着 火温度 は高 くなる。(2) 同 一石炭 では水 分が蒸発 す るほ ど,酸 素 と反応し得 る表面積 が広 くなるので,温 度上 昇速 度 は 早 く なり,自 然発火所要時間 は短 くな る。(3) 固有水分 の多い若年炭 では蒸発 に よ り水分が減少 した場合,自 然発火所要時間 の減少 は著 しいが,固 有水分 の少 ない高石炭化度炭 では水分 が蒸発 したた めの 自然発火所 要時間の減少は著 し くない。乾燥 した石炭 の 自然発火所 要時間は,炭 種 によつ て大 きな差 があるが蒸発に よる固有水 分の減 少が少 ない場合はその差は少 ない。(4 )固 有水 分 を失 なつた石炭 の温度一時間 曲線 はアー レニ ウスの式 に従 うので,一 部 分の温度範囲 の測定値があれば常温 か ら着火温度付近 までの温度一 時間曲線 を描 くこ とがで きるが,乾 燥 してい ない石炭 では水分 の蒸発 の影響が入 るため,実 測値 か ら他 の温度範 囲の推定 は不 可能 に近 い。また実験結果 か ら炭 層内の石炭 の常温からの温度上 昇曲線 を定性的 に推定 した。付 言 この研究 を行 な うにつ いて,九 州大学生産科学研究所江 渕教授 よ り有益 な る助言 をいた だいた。ここに厚 く感謝 の意 を表 わす次第で ある。参 考 文 献1) M. Guney: Coel. Guard. Vol.216, p.105, p.1372) N. Berkowitz他: Fuel Vol.30 No.4 p.943) D. Hodge他: Min. Engr. Jan, 1964, p.2114) Chemistry of Coal Utilization Vol.1, p.6185) R. E. Jones他: Trans. Faradaysoc, Vol.42, p.2976) D. Hodge他: Min. Engr, Vol.1966, p.1217) J. Graham他: T. I. M. E. 1913, Vol.46, p.5638) D. K, Nandy他: J. of Mines, Metals and Fuels, Oct, 1967, p.2979) J. D. Davis他: Tech, Paper 409, 1928, Bur. Mines10) F. H. Coward: Res Rep. Safety in Mines, 142, 195711) J, B. Stott他: Fuel, 32, Oct, 1953, p.41512) T. F. Winmill: T. I. M. E. Vol.48, 1914-15, p.53513) 田 代 裏 他: 日 鉱 誌, Vol.82, No.941, p.745〃Vol.85, No.975, p.49714) T. F. Winmill: T. I. M. E. 1915~1916, Vol.51, p.500宮 川 一 郎: 石 炭 の 自 然 発 火, 昭18, 共 立 出 版, p.7315) R. V. Wheeler: Fuel, Oct, 192416) 田 代 裏 他: 日 鉱 誌, Vol.85, No.969,

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