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男性も楽に。 脱・ジェンダー差別

「ワンオペ育児」なる言葉が流行りだしたのは、いつからか。

牛丼屋の店長や深夜のコンビニ店員さんのように、

「一人ですべての業務をこなす」

ワンオペレーション勤務のごとく

すべての育児や家事を ひとりでこなすワンオペ育児。

わたしもそうでした。

「男は仕事、女は家庭」という社会的につくられた性差である

ジェンダー意識、政府に植え付けられた性別役割分業意識が

昔は もっと強かったから。

でも今は 若い人を中心にかなり、

変わってきていると感じます。

今回は、一部に見られる変化の兆しをどう広げていけば

社会全体が変わっていくのか?を考えながら

自分が生きてきた社会的背景をおりまぜて

書いていこうと思います。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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変化するお父さん像


わたしが世の中ずいぶん変わってきているなぁ!

と感じられるようになったのは、Twitterに書き込まれた

若いパパさんたちのツイートを目にしてからでした。

そこには、お互いを尊重し妻を助け じぶんも

子育てに参加し 子育てを楽しみ、家族といる時間を

大切に考え 家族第一に仕事を選んでいるお父さんが 

いっぱいいて、本当におどろかされたのです。

もちろん それは社会全体の一部であり、

フリーランスで自由に時間を使える働き方をしている

人が集まっている界隈に わたし自身が 

身を置いているせいかもしれませんが、

すくなくとも わたしの時代には 義務教育で

「家庭科」の授業があるのは、女子だけでした。

今は、家庭科男女共学 それが「家事・育児は男女がやって

あたりまえ」の意識を広げ 少しづつ男性の家事・育児

参加が増えてきた一因では、と考えています。

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わたしの時代


かなり時代をさかのぼりますが、

わたしが就職した頃は、四年生の大学に通う女子は

まだまだ少なかったのではないかと思います。

「女は結婚したら退職し、家庭に入り子どもを育てる」

それが 当然のように言われた時代、

わたしは 就職に有利と考え進路に商業高校を選びました。

今でこそ高卒で就職するひとはそんなに多くはないでしょうが、

総合職と一般職の区別もなく、企業側も高卒の事務職など

嫁入り前のお茶くみ・コピー取りくらいの扱いだったのか

その時代が好景気の兆しだったのか、その頃は学校に 

名だたる大企業の求人が何百とありました。

求人一覧表は 給料が高いところから、

ミドリ十字、エーザイ、丸紅、伊藤忠、住友商事、味の素・・・

生徒は学校を後ろ盾に、成績順に自由に企業を選び面接を受け

だいたい希望どうりの会社に就職できました。

1クラス40数名でF組まであるクラスのうち、

男子はA組に15名ほどでしたから 進学希望以外は

みんなじゃんけんで仲良く受けたい会社を決めてました。

そうそう、当時の授業には 普通科にある教科のほかに 

商業科らしく簿記や商業法規、税務会計や商業実践

今ではありえない珠算や和文タイプ、あとプログラミングの

授業も選択でありましたが、まだ家庭にパソコンもない時代に

ディテールフローチャートとかってコード書いたりしたけど 

プログラミング言語COBOLとFORTRANなんて

今はやりのプログラミング学習とは まるで別物だったでしょうね?

わたしは 多次元配列で挫折しましたが・・・。

何ひとつ 身についたものないなぁ~残念なことに。

わたし自身は、就職率の高い商業高校に身を置くことで

1回目の就職試験で失敗したものの、

担任の勧めで受けた会社に なんの苦労もせず就職し

いつまで勤めるとは考えなしに、やはり結婚したら辞める

ものと思っていました。先輩たちがみんなそうでしたから。

わたしが勤めていた会社では、

高卒は おもに事務職で一部が営業補助でしたが、

わたしが入社した年はじめて

店頭窓口で営業職として、短大卒が2名採用されました。

今思えば 同期の彼女らが登場した頃から 

世の中にひとつの変化がでてきたように感じています。

彼女らから「わたしたちは男性と同じように営業している。」

という発言を聞くようになり、それを聞いて 鼻で笑う男性社員の

営業マンもいましたが、それからまもなく

1985年「男女雇用機会均等法」が制定したのです。

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「差別から平等へ」の 落とし穴


世界の動きとしては、国連が 1948年に国際人権宣言を採択。

1979年に、世界の女性の憲法といわれる女性差別撤廃条約が制定。

日本では1980年代前半から、男女雇用平等法の運動が幅広く展開され

1985年に政府は国際女性差別撤廃条約を批准するための

法整備としてこの「男女雇用機会均等法」が制定したわけですが、

それまであった雇用の分野における男女差別。たとえば、

昇進について「女子には昇進の機会がない。」とか

女性の賃金は、男性より低いであったり、

企業の教育訓練について「女子にも受けさせるが、その種類が

男子と異なる。」とか「女子には受けさせない。」

あるいは、定年制も「男女別に定めている。」など。

それらが改善され平等になったことが はたして

女性にとって良かったかといえば、そうではないのです。

なぜなら日本には「家事・育児は女性がするもの」という

性別役割分業意識が根強く、女性差別の前に

そもそも、ジェンダー差別の意識を変えるべき。


「男女雇用機会均等法」が制定されたと同時に、

政府・財界は 女性労働者の要求を逆手に取り

「平等を言うなら、女性だけの残業規制はおかしい!」と

攻撃し、女性のみを保護する「深夜労働並びに残業規制を

撤廃する」労働基準法の改悪を強行しました。

男女雇用機会均等法とは、「男性並み長時間労働」をモデルとする

男女の平等だったのです。あれから30年。

いくつかの改定を経て、一部の女性の社会進出を

促進することにはなりましたが、

いまだ女性の半数以上が妊娠・出産を契機に離職するのは、

「男性並み長時間労働」では

「仕事と育児の両立が困難である」からです。

日本の企業は、長時間働ける労働者という「正社員像」を

もとめてきました。片働き世代より、共働き世代が増えたとき

どちらも残業で定時に帰れなければ、家族的責任をもち

子育てするなど不可能です。

けっきょく、家事・育児負担のある多くの女性にとっては

正社員をあきらめ、限定的な働き方に

ならざるを得ないということです。

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男性のジェンダー差別


いっぽう、男性は「外で仕事をするもの」という

性別役割分業により「モーレツ社員的な働き方を

強いられることで「長時間労働せざるを得ない」。実は

男性もまた、ジェンダー差別される側になっているのです。

なにも女性差別だけが、ジェンダー差別ではありません。


政府・財界は 近年においても労働基準法の改定を経て 

企業の利益追求のため 労働時間の規制緩和を広げてきました。

新たに「裁量労働時間制」という 「あなた任せの働き方」や、

究極は「高度プロフェッショナル制度」という、

ホワイトカラー労働者の一部に「定額働かせ放題」

労働基準法さえ適用されない、事実上 労働時間の規制を

解除する制度までつくりました。(2019年 施行)

このように長時間労働は 男性の性別役割分業意識により、

「正社員のあるべき姿」として正当化されてきたのです。

そして、男性労働者は定時に帰れなくてあたりまえ。

なによりも仕事が優先で 家庭は二の次三の次。

そんな男性のジェンダー意識のもとで、

女性の「ワンオペ育児」がもたらされてきました。

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まとめ

家事や育児、家庭的責任を一手に引き受け

おわりなき家事から一時も解放されない不満。

そんなわたしたち古い世代が背負ってきたジェンダーの呪縛を

いま、若い世代が 過去のものに葬り去ろうとしてくれている。

女性が 結婚後も好きな仕事をつづけてキャリアを積む。

そして男性が 家事育児をサポートするのもふつうですし、

なにより 夫婦ともに家庭的責任をもち

子どもを育てていこう。そのためにしごとをする時間より

「家族の時間を大切にしたい。」と考える若い世代がふえてきました。

「ワンオペ育児」を解消するには、男性の働き方を変えること。

「そのために会社を辞めフリーランスになりました!」という人も

多いでしょう。ですが もし、「正社員」として

生活と両立できる働き方ができるのなら、企業に勤めていても

もっと、楽に、男女ともに豊かな人生を送れるはずです。

今、労働時間短縮にとりくむことが ジェンダー差別をなくし

人間らしい働き方 ディーセントワークの実現に必須だと思います。

労働組合では よく

「8時間働けば人間らしく暮らせる働くルールの確立」

「8時間働けばまともに暮らせる賃金の底上げ」など 

8時間働くことが基準にいわれますが、

8時間は長い!

労働時間短縮は ジェンダー格差の大きい日本の

国民的な課題です。労働基準法の法改正は もちろん

労働組合や 労働者自身が、時短意識を高めることが

なにより重要です。世論を動かし

「生活のための時間」を確保するために

みんなで声を上げていきませんか?


以上になります。

最後まで お付き合いいただき

ありがとうございました。


#男は仕事・女は家庭の役割分業

#長時間労働の理由

#男女雇用均等法の落とし穴

#ワンオペ育児の解消  





































 







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