ハッシュタグは「最低賃金」で
こんにちは!ますのすけです。
今回は、労働組合の活動のなかでも大切な、
最低賃金の引き上げをもとめる行動を
市民団体と一緒に取り組む価値について、
思うところをお話しします。
ぜひ、さいごまで おつきあいください。
◆Twitterで知る
去年の8月、東京の最低賃金引き上げ額が
0円で1,013円のまま凍結!
その一報を わたしは始めたばかりの
ツイッターで知りました。
「#最賃引き上げ凍結に異議申し立てを・・・」
えっ、うそでしょ?
東京が0円!ありえない。
わたしは すぐ、労組の専従さんにメールで確認。
その通りでしたが、
ツイッターで発信していたのは 労働組合ではなく
AEQUITAS (エキタス)という、市民運動団体でした。
◆日本の最低賃金制度
ここで、日本の最賃制度について ざっくり解説します。
最低賃金は、従業員に支払う賃金を
できるだけおさえて 安い労働力で使いたい経営者に、
社会的に歯止めをかける 最低のラインのことで
この金額を下回ってはならないと法で定められ、
経営者は これを守らなければなりません。
最低賃金は 毎年、まず中央最低賃金審議会で目安が示され
各 都道府県ごとの地方最低賃金審議会で決められます。
審議は、公益委員・労働者側委員・使用者側委員の3者で
行われ、会議は非公開です。
問題なのは 労働者側の委員が、連合の労組員であることです。
連合とは、日本労働組合総連合会の略で 大企業の正社員の労働組合です。
時給で働く非正規雇用の労働者は ここの労働組合にいません。
わたしたち全労連の傘下にある労働組合は、おもに
非正規雇用者が活動の中心で 審議委員の改選のたび
立候補者を全国で立てていますが、最低賃金に張り付いた
時給で働く非正規雇用労働者であるわたしたちは
労働者の代表とは認められず、もう十何年も落選つづきで
ひとりとして委員に選ばれたことはありません。
◆最低賃金では暮らせない!
今や 全体の4割を超える非正規労働者。そのほとんどが
最低賃金ギリギリで働き、まともな生活ができていません。
なぜなら 日本の最低賃金は、とてつもなく低すぎるからです。
日本国憲法25条第1項には、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
として、国民には人間らしく生きる権利があることをうたっています。
ですから、最低賃金とは法律に基づき 人としてあるべき生活が
普通にできるものでないといけないのに
実際には生活が苦しく食べていけない。
このあまりにも低すぎる最低賃金こそが、
大量のワーキングプアを生み出している原因なのです。
◆エキタスの活躍
日本政府は、最低賃金を1,000円にすることを目標に
2019年度まで4年連続で最低賃金の3%の引き上げを実施してきました。
ところが、2020年には 安倍政権の「コロナ対策として
最低賃金の引き上げではなく、雇用の確保」という方針を受けて
中央審議会から目安額が示されず
それによって 東京をはじめ、7都道府県で
引き上げが凍結されたのです。
そのことに「怒り」を表明し、インターネットで呼びかけ
多くの 東京で働く非正規雇用の若者層の思いをつのり、
わずか5日間で170人の声をあつめ
東京労働局に、異議申し立ての声を届けたのが、
労働組合とは別の、20~30代の若者で作っている
市民運動団体の AEQUITAS(エキタス)でした。
「【拡散希望】
#最賃引き上げ凍結に異議申し立てを
コロナ禍を理由に各地で最賃引き上げが凍結しています。
これ以上の低賃金・貧困を許さない
社会的意思を示したいです。
下記リンクで異議の声を集めています。
皆さんの声を東京労働局に届けます。」
もちろん 労働組合も地域ごとに、最賃審議会に
異議申し立ての意見書を提出したり、意見陳述をしたり
しましたが、彼らは これまで 社会で可視化されず
どこにもやり場のなかった当事者の
怒りや嘆き、苦しみや痛みの声をすくいあげてくれました。
労働組合では、取りこぼしている「未組織労働者」の若者層。
◆まとめ
今や、日本の労働者の17%しかいない労働組合員。
労働組合の存在も知らなく、かかわりもない。
多くの労働者がそうなのは しかたないけど、
実際に 職場の労働環境を変えたり、社会全体に影響を
およぼす力をもっているのは 労働組合をおいて他にありません。
かたや、ツイッターなどのインターネットを駆使して
スピーディに、広く運動に参加してくれる当事者をつのる。
そんな若者の手法にまなび、あたらしい風を取り入れつつ、
多くの人を巻き込めば もっと最低賃金を引き上げる運動の
力になるでしょう。
と、いうことで
ここまで お読みくださってありがとうございました。
また よろしくお願いします。
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