勝手に電力ビジネス分析⑥追加版(JXTG→東京電力)

気分を入れ替えて、本丸の東京電力について書きたいと思います。

一点注意ですが

東京電力が分かっても他の地域電力会社を理解したことには全くなりません!

東日本大震災前は、各地域電力会社の戦略は原子力発電の多寡はあるものの似ていたように思いますが、今は

原子力発電の有無
再エネの種類(太陽光メイン?風力メイン?)
再エネの導入量
発電事業者の形態

など、状況が全く異なります。

もし皆様のご要望があれば

原子力発電の多い関西電力
再エネで超先進的な九州電力
風力発電が多い東北電力

あたりもトピックにしていきたいと思います。

では、東京電力の説明に移ります!
東京電力はいち早く発送電分離を実施したため

発電事業者→東電フュエル&パワー
送配電事業者→東電パワーグリッド
小売電気事業者→東電エナジーパートナー

という異なる会社で運営されてます。持株会社傘下ではありますが、、

では、発電戦略(東電フュエル&パワー)。
ここは、まさに王道で、「規模のメリット、バイイングパワーを利用して安く電力を調達」に付きます。
このことが分かる象徴的なできごとが

JERA

です。これは当時業界関係者では驚きで、東電と中電の火力発電を統合して世界的にバイイングパワーをつけていこうという取組です。
おそらく

LNG調達量は世界一

です。東電も中電も業界の雄なのに、お互い統合させたのはすごい調整役がいたのだと思います!

まあそのJERAから東電FPは電力を安く調達して安い電気を供給する形です!

次に送配電戦略(東電パワーグリッド)。
本当は小売電気事業者の送配電戦略を書くべきところではありますが、これはまたTRENDEなどの東電グループ会社を紹介する中で記載するので、今回はガチ送配電事業者の戦略を記載します!

彼らの目的はズバリ

・安定供給

・託送原価低減

に付きます。これは業界以外の方は知らないと思いますが、東電の設備関係の方であれば、毎日16時から17時にかけてものすごく神経を尖らせているはずです。
おそらく1000kWレベルの太陽光が一斉に発電しなくなるので、リアルタイムの同時同量を、するために、ガス火力発電や石油火力発電をリニアに発電増をするオペレーションが必要になります。語弊を恐れずいうと中国電力規模の電源調整を数時間単位で毎日やらないといけないイメージです。

5000万kW規模の東京電力とはいえものすごく神経過敏になる出来事が毎日続いているのは意識していただいたほうがよいと思います!

では最後に、小売戦略(東電エナジーパートナー)。

ガスのバンドル提供、太陽光とのセット提供などまあいろいろな取組をされてます。まさに発電と同様、ボリューム、規模の追求してます。

utility3.0を目標としており、電力、ガス、水道などと総合インフラ企業を目指していると思います。

ただ、実は業界の中で厄介?異端児?だと思われているのがTCS(テプコカスタマーサービス)というグループ会社です。

コールセンターなどの東電の受託業務が発祥だとは思いますが、今は高圧の営業部隊で全国を飛び回っています!

実は新電力で3位くらいまでのぼりつめており、長崎社長は2019年度内に新電力1位を目指すと豪語しているほど。

もう東電はエリアも、業界も跨いで規模を、拡大する路線まっしぐらです。

あと低炭素社会の流れを受けて、アクアプレミアムなどのグリーン電力メニューも出してます。これは、水力発電を豊富にもってる東電だけがなせる技ですね。

再エネの中で規模、コントロールしやすさでは水力発電が群を抜いているので、新電力はこの不公平感をなくすため、水力発電の公正なアクセスを要望するようになると思います。

以上、まだまだ東電のグループ会社まで含めるとバリバリカニバっている会社も出てくるようなイノベーティブな会社はありますが、それは次回以降に追い追い触れたいと思います!



電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!