勝手に電力2.0 vol.8(RE100向けビジネス)

昨日はEV100向けビジネスについて、現時点で気がついたことを書きました。

EV100は、目指す理由もはっきりしづらいですし、社用車を大量に保有している事業者も限定されるため、RE100の方がメジャーではないかと思います!

RE100とは

2050年ころには事業運営のエネルギー100%を再エネで賄う

ことを目指す企業が宣言するものです。

https://www.google.com/amp/s/sustainablejapan.jp/2017/02/01/re100-2/25334%3Famp%3D1

ここで、

・日本は再エネ比率22-24%ってことは難しくね??

・太陽光って昼間しか発電しないし、夜とか曇りの電気足りなくね??

みたいな疑問が湧いてくると思います。

最初の質問に対してはRE100は個人というより何らの組織が目指すものという前提で作られているのだと思います。

ただ、法人需要が電力の6割を占めている状況の中で、半分以上の企業がそもそもRE100が目指せない規模の再エネ量しかありません。

こう言う意味で将来的には

RE100企業はある種のステータス、ブランド

になるのかなあと思います。

問題は、実際にRE100を目指す企業がどうやって再エネ100%を達成するか?

です。

普通に考えて、太陽光発電は昼間しか発電しませんし、、

ここでのソリューションは

①屋根上太陽光で自家消費
②CO2フリー電力の購入
③環境クレジット購入

しかありません。

①はリアルに再エネを利用してますが、②③になるにつれて徐々にバーチャルになっていきます!

物理的には究極のコモディティである電力なので、バーチャルな世界で意味づけ、色づけで差別化する必要があります。

こんな話はいいとして、ここからビジネスとしてどうして行くかになりますが、

FIT価格14円になるくらい巷ではコスト競争力のあるEPC事業者が出てきたということで、

系統電力より安くてクリーン

な電力が使える時代になりつつあります。ただ一つネックなのは、10〜15年は利用することが前提のサービスなので、短期で場所を変更するような企業には向かないのかもしれません。

ただ、建物は壊されない限り、次の入居企業が電気は利用するので、契約手続き、スキームがうまく整理されれば、事業者のリスクは減ってくるかもしれません。

なにせ30年以上は利用を前提としているビルが人口減少が見込まれる時代にさえバンバン建設されてますから、新築物件であれば漏れなく太陽光発電をつけるのもありかと。

次にCO2フリー電力になりますが、これは東京電力、関西電力などの大手電力会社が提供しはじめています。エネットなどの新電力も提供している場合がありますね。

これ、結構大変で、厳密にCO2フリー電力の同時同量を求めると、水力やバイオマスなどの24時間稼働可能な再エネ電源をもつ必要があります。

新電力でバイオマス発電に取り組んでいる企業もいますが、バイオマスは量的に少ないので、CO2フリー電力は大手電力が圧倒的に有利ですね。

なので今後、大規模水力発電所は公平なアクセスを求められるようになると思います。そうなると、いかに高く販売可能なユーザーを捕まえられるか、販管費を安く抑えられるかが差別化の要素になるかもしれません。

最後に、環境クレジットですが、この点は非化石証書の動向が大きく響くと思います。今は1.3円ですが、どのくらい企業にペナルティがつくか、投資家が重要視するかで水準も変わってくると思います。

非化石証書は卒FITくらいしか集めれませんが、法人自家消費モデルが普及するとおそらく自家消費分などを非化石証書に統一するみたいな話も出てくると思います。

グリーン電力証書、Jクレジットと分散していると管理が煩雑になるだけですし。

ということで、RE100に向けてはすでに大手電力を中心に動いているので、その流れに乗るよりはセカンダリー市場などで太陽光発電所を集めて2032年予約権みたいなオプションを金融的に販売するのも面白いと思います。

企業は2030年代の再エネがほしいだけなので。

明日は、「エネビジ by 自動運転」で書きたいと思います。



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