勝手に電力ビジネス分析⑤(東京ガス)

ツイッターやnews picksでコメントいただきありがとうございます。SNS慣れしてないので、ブロガーさんがコメントをもらうことで書くモチベーションが上がるのが分かる気がしました。

さて、発電、送配電、小売戦略のフレームワークをご説明したので、このフレームワークに合わせて、無理矢理ですが東京ガスさんをサンプルに独断と偏見でコメントさせていただきます。
(2018年度第二四半期決算、チャレンジ2020ビジョンを、参考にしてます。)

2018年度第二四半期決算
https://www.tokyo-gas.co.jp/IR/library/pdf/ktsn/181031presen.pdf

チャレンジ2020
https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20111115-01.pdf

あくまで電力会社としての東京ガスさんに特化したいと思います。

(概況)
おそらく東京ガスは、ガス事業のビジネス拡大としてガス発電事業を始められたのが電力事業の始まりと思われます。
2000年に電力部分自由化を契機に、日本一電気を使っていたNTTグループが電力コストを削減したいニーズと、東京ガスがガス発電の拡販をしたいニーズが合致した結果、エネットというグループ会社が出来たそうです。

以上の経緯が、東京ガスの戦略に色濃く反映してそうです。

(発電戦略)
電力は「ガスが形を変えたもの」という発想を持っている会社だと思います。これまでも発電事業というよりは「ガス発電」を中心にしてますし、ガスの調達力には自信があるでしょうから、「自社発電」を発電戦略の中心とします。
2020年には300万kW〜500万kWの発電を目指すようです。四国電力が500万kWレベルなのでそこを想像してもらうと、自社発電で勝負する意気込みの凄みを感じます!

(送配電戦略)
電力だけの事業を見ると、送配電を普通に利用しているだけの企業に見えます。が、、、
実は法人向けではコージェネ、マス向けではエネファームなどを使い、「送配電を使わない電気」という戦略もとっているのが面白いところです。あくまで「電力はガスが形を変えたもの」という企業の発想らしいところ。

(小売戦略)
彼らは今の段階では潤沢な自社発電があるので、都合のいいユーザーだけでなく「既存顧客の囲い込み」のために面的な営業をやっているようです。ガスは電力と異なり家庭用機器のメンテナンスなど、現場の実働部隊が必要となります。その役割をグループ会社のライフバルが担っており、彼らがガス+電力の営業をする形がメインのようです。
以上でお気づきかと思いますが、マス向けの王道「バンドル販売」を主力にしてます。

実は、KDDIやソフトバンクなどの通信会社もバンドル提供しており、全国展開もしておりますが東京ガスが低圧では一位。これは、エネルギーとしての親和性もありますが、自社発電を持つ覚悟が差を生んでいるのかもしれません。

少し詳しい方ですと、KDDIグループのエナリスも最近覚悟を持たれたようで、電源開発さんの出資を受けたりと、自社発電に近い形のスタンスを強めてます。

とまあ、無理矢理フレームワークに紐づけて説明してみました。

この他にも2020年に風力発電15万kWを目指しているようですが、表向きはパリ協定やESG投資のための再エネ電源かもしれませんが、個人的には、冬や夜需要をガス発電の補完として考えているのではとも思えます。太陽光発電もやってますが、チャレンジ2020には風力発電を記載したのはそんな意図もあるのではとも想像してしまいました。


電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!