勝手に電力ビジネス分析①(概論)

エネルギー業界に入って4年ほど。
エネルギー業界の面白さを感じつつも、業界以外からはよく分からない業界に見えるし、ビジネスを説明するコンテンツが少なくて業界を知るのにものすごく苦労した人も多いと思う。

電力自由化などのコンテンツは多くあるので、この機会にエネルギー業界をかじった「ニワカ業界人」として電力ビジネスを私見、偏見を多分に交えて書いていきたいと思います。

(今日の話題)
①電力業界の市場規模
②電力のビジネスモデル(電力小売を中心に)
③電力ビジネスの特徴

①電力業界の市場規模
約20兆円。電力小売関連だけでもこの規模なので、関連する送配電、発電のバリュチェーンを考えると経済への影響はものすごく大きい。企業でも、電気代はコスト施策の中でも重要トピックにあげられるランニング費用になることが多い。

②電力のビジネスモデル(電力小売を中心に)
電力小売に限れば、作って(発電)、運んで(送配電)、売る(小売)と他の業界と変わらない単純なビジネスモデル。
原価構造もものすごく単純にいえば、「発電コスト」「送配電コスト」「管理コスト」の3種類。しかも

・「発電コスト」がコストの5割以上
・「送配電コスト」が3〜4割で規制料金

というかなり特殊な原価構造の業界。送配電コストは、後で例外事例も出てくるが基本的に規制で決められた料金なので、競合との差別化は難しい。

となると、発電コストでどう差別化するかが電力ビジネスの大きなテーマになる!

③電力ビジネスの特徴
なんといっても「(30分)同時同量制度」。
電気は消費すると同時に発電が必要な商品。ただリアルタイム同時同量にすると新規参入のハードルがあまりに高いので30分単位で、消費と発電をあわせるルールになっている。
このルールが業界関係者の事業戦略の根底にあるのが分かると電力会社の新聞記事などの理解が深まると思う。

まずは読者の方で、このルールが与える影響を、想像いただきたい。

次回は、具体的な電力会社を例に、電力ビジネスを説明できればと思います。

(次回トピック)
地域電力会社の電力ビジネス

✳︎テーマについては、読まれる方の要望に合わせて柔軟に変えていきたいと思います。要望はツイッター@j20364 までいただければ可能な限りテーマで取り上げさせていただきます。

電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!