ひとは死ぬと、どこへ行くのだろう
ぼくは幼少期、訳あって祖父母に育てられた。
祖父母は毎日のように喧嘩をしていた。祖母はその喧嘩の盾にぼくをつかうような人で、そのことでぼくは幼心に深く傷ついた。二人の仲を取り持ちたいのはやまやまなのだけど、10歳にも満たないぼくに何ができたのだろうか。結局のところ、ぼくの中には無力感のみが残った。
それでも祖父母はぼくにとって必死でしがみつかねばならない岩場だった。それが例え激流の中のちっぽけな岩場でもだ。こころはいつも不安でいっぱいだったが、なんともないふりをしなければ