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UJIターンを考える

東京一極集中が進み、地方創生が叫ばれ続けているのは言うまでもない。自分の地元、石川県が公開している統計情報によると石川県の総人口は平成9年から平成10年、平成12年を除いて年々減少し続けている。その中で地方創生のためのキーワードの1つとして言わているのはUJIターンである。そのUJIターン促進に向けて各地方自治体が東京で就活や転職に関する単発のイベントを行ったりしてるが正直意味があるとも思えない。自分の周りの友達に関しても、どう考えても地元に対しての意識が薄い。

地方→東京の流れは大きいのにその逆は小さいのか、誰が考えてもその理由は明白でみんな地方よりも東京の方が魅力的に見えているからである。では地方に魅力がないかといえば絶対にそうではないしたくさん魅力がある。でもみんな、その魅力に気づいていないのである。以前、金沢市役所の方と金沢市が行う事業に関してのミートアップを行った時、まず金沢の魅力を挙げてみようとなった。すると、観光的な側面や文化的な側面などで有名なものはすぐあがる。しかし、「実際に金沢に住んで生活する」ということに関したイメージ、魅力はスムーズにあがらなかった。自分たち東京石川県学生会を名乗り東京にいながらも比較的金沢に触れている人間ですら、である。ということは、上京して特に地元とは何の接点ももたずに過ごしている学生は尚更地元を知らないと考えられる。またさらに言うと、東京→地方というルートでの成功体験をほとんど知らないのだと思う。つまり、東京でそのまま生活するイメージはついても、地元に戻って生活する意識が全くないのである。(もちろん、最初から地元に戻る人はしっかりと情報収集するだろうが)

今、東京石川県学生会として活動しているが、こういう活動をしているとよく「お前地元大好きやん」とか「どうせ田舎やん」とか馬鹿にされることがよくある。でもそういう人たちは、特に地元のことも知らずに無思考に馬鹿にしているとしか思えない。UJIターンを促進していくためにはまず、そのような何も考えずに地元に関して自虐的に話している人たちをなくしていくことからなのかなと思う。そのために、東京にいて問題意識をもっている自分たちがすべきことなのはまず、同じ地元出身者のコミュニティを用意することである。幸いにも自分の地元である石川県は、毎年、かなり大規模な「いしかわ県人祭 in 東京」というものを行ったり、その他にも文京石川県人会、目黒石川県人会、板橋石川県人会、また自分たち東京石川県学生会といったような東京を拠点とした地元のコミュニティはたくさんある。(どうも北陸はそのような県人会の活動はかなり活発らしい。)こういうコミュニティに属し、同郷の人たちと話す機会が少しでもあるだけで地元に対する意識は劇的に変わる。そしてもう一つ必要なのは、中長期的に、地元について知っていく機会を設けることである。それはフラットなゼミのような形がよいのかもしれない。単発なイベントではなく、そのような場で長い目で見て地元に対して深く知っていく、そしてそこでどのようなところに住んだり、どのようなところで働いたり、どのようなところで遊んだりするか、そういった具体的なイメージをつけていく必要がある。

自分なりに必要だとおもう点を挙げたが、重要なのは地方で働くことを選択肢の1つとしてもってもらう点である。そこからどちらを選ぶかは、個人の選択の問題であり、他人が干渉する必要はない。しかし、選択肢の1つとしてもってもらうという小さな一歩が後に大きな流れになると自分は信じている。

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