三浦崇宏 著「言語化力」に見るクリエイティブの魅力

クリエイティブって言葉、よく使いますよね。
なんか、かっこいい響きがする。誰しもがそう思う。
でもなんでクリエイティブって良いイメージがあるのでしょうか。
今回はそれを考えてみようと思います。

Life is Contents

僕はNewsPicksの会員で、落合陽一さんが出演しているWEEKLY OCHIAIという番組をよく見ていました。
そこでは毎回ゲストが呼ばれ、落合陽一さんとトークをします。
非常に面白い番組なのですが、ある日の回で株式会社GOの三浦崇宏さんがゲストとして呼ばれていました。
そこで繰り広げられるトークはいつもの番組のトーンと違って、番組の本質に切り込むような意見を交わしていました。
ご飯を食べながら見ていたのですが、ご飯を食べるのをやめて画面に釘付けになるほど面白いコンテンツでした。

「この人は他の人と感覚が違う。違うものを持っている」

それが三浦崇宏さんとの出会いでした。
そこから、twitterをフォローしてみると毎日すごい量のツイート。
しかも一つ一つがすごく刺さる。

そんな三浦さんが本を出す、というので早速Amazonでポチることに。

期待して買ったこの本。人生で初めて発売前から予約しました。
本の中身については、ぜひ読んでもらえたらと思うのでここでは詳しくは取り上げませんが
三浦さんがこの本で言いたいことを一言で表すなら、Life is Contents.

三浦さん自身、小学生時代にかなりの苦難を経験されているそうで、小さいながらも覚悟をしなければならない状況に立たされたそうです。
どうすればそのピンチを乗り越えられるか。
追い詰められて追い詰められて、編み出した技。
それが、自分に起こった悲劇を面白話のネタとして伝えることだったそうです。

どんな事実も、見方・捉え方によっては人にとって価値のあるコンテンツになる。
それがLife is Contents.

もっとシンプルに言えば、「人生なんとかなるよ」。
僕にはそういっているように聞こえました。
強烈な楽観主義の信念がこの言葉に込められているなと思いました。

クリエイティブはビジネスだけでなく、人の心を救う

ところで、クリエイティブってかっこいいなって思われがちですよね。
自分もデザイン学部出身かつデザイン会社に務める者として、クリエイティブなものを日々探す習慣があります。

クリエイティブなものを見たり聴いたりする時間って心が落ち着くんですよね。
その瞬間だけは、普段の悩みや不安な感情が姿を消して、心が安らかになります。

美術館にいる人が絵を見ながら人生に絶望していることがないように、
クリエイティブは人の心に働きかける何かがあるなと僕は思います。

「もう、ダメだ」「これ以上できることは何もない」
そう思っている人が電車で何かの広告を見た時、
「こんな広告、今まで見たことがない」
「そんな発想があったか!」
そう感じれた瞬間、その人の世界は少し広がっているのではないかなと。

そうすると、前よりちょっとだけ前向きになれる。
そのアイディアを通して、楽観主義(なんとかなる精神)が伝わるから。

三浦さんの本の中でそれを表している言葉がありました。

「工夫・アイディア次第」でこの状況も切り抜けられるはず、と、不利な立場の自分を鼓舞してきた。
(中略)
アイディア・工夫、クリエイティビティ、言い方はなんだっていい。答えはあるし、どんなピンチでも生存ルートは必ずある。(P234)

クリエイティブの力を三浦さん自身が証明しているのだなあと、しっくりきました。

まずは言葉にしよう

「言語化力」で言われているのは、思ってることをとにかく言葉にしよう、ということです。
僕の場合、言葉にするというのは、デジタルのテキスト情報に起こすという行為。
口で言葉にするだけでは、いずれその事実が消えてしまう。そして忘れてしまう。
だから、言葉を視覚的情報として文字にすることを大事にしています。

そういう意味ではノートに書くのも効果的なのではないかなと。
ただ、ノートは物理的にスペースを取るし、せっかく文字に起こしたものがすぐに取り出せないというデメリットもあるので
メモ帳だとか、アプリに保存・整理するのがおすすめです。
ノートに書くことの効果については以前こちらで紹介しているので興味のある方はぜひ見てみてください。

 自分が囚われている枠組みを発見する

クリエイティブの出発点は、アイディアからではなく「現在地の確認する」ことからだと思います。
Google Mapで行き方を調べる時も「行き先」と「現在地」を指定しなければ移動手段が出ないように、
まずは「自分の状態」がどんな枠組みの中にいるのかを確認することからスタートする。

「何かうまくいってないな」
「なんか人生パッとしないな」
そう思った時、この質問から初めてみてはいかがでしょうか。

 自分が何者であるかを説明する時、なんと答えるか?

例えば、僕の場合。
履歴書に書くのだとしたら「会社員」と書くのが適切だと思います。
でも自分のことをただの会社員と思った時点で会社員としての振る舞いしかしなくなります。
僕は社会人になってから無意識に自分を「会社員」という枠組みにはめ込んでいました。
事実、何も間違っていません。
でもなんだか、これまで自分が抱いてきたワクワクや希望感が薄れていったようにも感じました。

というように、自分が何者かを自問することで一体何に囚われているのかを知るきっかけになるかもしれません。


クリエイティブは特定の人間が生まれ持った特別な能力(センス)、と思われがちですが、僕はどんな人でも磨くことができるのではないかと思っています。
三浦さんは、

センスの正体は経験と価値判断の蓄積だ。(P81)

とキッパリ言っています。

諦めなければ、変えていくことができる。
自分も、この社会も。
それを証明してくれるのがクリエイティブ。

クリエイティブの魅力はそこにあるのではないかと思います。

ぜひ皆さんも「言語化力」を読んでみてください!

それではまた。

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