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たいせつにするということ

「自分を大切にできない人は、人を大切することもできないよ。」という言葉をたまに耳にします。それはごもっともなご意見だと思うのですが、では、「自分を大切にする」とは、具体的にどう行動することを指すのか。それを知らない人がものすごく多いなと感じます。
   
日本の現代社会の中では、「自分を大切にする」ことよりも、「周りに合わせる」「気持ちを押し殺す」ことを教わる機会の方が圧倒的に多いと思います。そのためわたしは、自分を大切にすることの重要性を、子どもたちに伝える機会を多く持つように意識しています。
    
周りに合わせることも、気持ちを押し殺すことも、時には必要です。でも、そればかりだとバランスが悪く心が疲弊してしまいますし、本質的な意味で他人の存在を大切に思ったりする心が育たないのではないか・・・と思うのです。
  
「大切にする」とは「時間を使い手間隙をかける」ことだとわたしは思っています。そのため、自分の中で生まれた気持ちに向き合う時間をとることは、とても重要なことだと子どもたちにも伝えています。

よく、自分の中で生まれてきた気持ちに「こんなことを思ってはいけない!」と、蓋をして閉じ込めようとする人がいますが、抱いてはならない感情など、この世にはひとつも存在しません。その、蓋をして閉じ込めてしまった「気持ち」も、自分の中の大切な「住人」のひとりです。しかし、その蓋をしたい気持ち(住人)だけに身を任せて行動してしまうと、厄介なことになってしまったりもしますよね。
    
そこで重要なのが、話し合いをすることです。わたしの中の、たくさんの住人(気持ち)たちによる話し合いが行われ、互いの妥協点を模索します。誰ひとりとして住人(気持ち)を置き去りになどせず、どの住人(気持ち)もある程度納得のできる答えを探します。この機会をつくることこそが、「自分を大切にする」ことだと思うのです。

人の気持ちはひとつではありません。1%の気持ちもあれば、40%の気持ちもあり、80%や100%の気持ちも存在するでしょう。そのどれもが自分であり、重要な存在なのです。
   
あなたの中で生まれた気持ち、ひとつひとつが大切なもの。そして、それと同じくらい、あなたの周りにいる人たちの気持ちも大切なもの。だからこそみんなで話し合い、互いの妥協点を模索することが重要なのです。

我慢し忍耐力を身に付けようとしたり、拒否感を押し殺し継続力を身に付けようと努力することも大切かもしれません。でも、それと同じくらい、むしろそれ以上に、まずは自分を大切にするということを身に付けることも重要ではないでしょうか。

自分を大切にできる人は、周りの人も大切にすることができます。

自分の気持ちたちと、時間を使い向き合う機会を持っていますか?ぜひ、自分を大切にする時間をもつ努力をしてみてもらいたいなと心から思うのです。

わたしがこの気持ちを言葉にできるようになったのは、「他人に振り回されない心理学」という本に出会えたからです。とても読みやすく大好きで大切な本です。最近、大好きになった人にこの本を贈ったことで、この記事を書こうとふと思いました。
興味のある方はぜひ、読んでみてください。

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