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ちゅんま元年、ちゅんま中級者の自戦記(その1)

【まとめ】
・ちゅんま元年、足りないものは「自戦記」
・前置きが長いので、自戦記にすぐ行きたい人は下の目次の「★東風東(東一局)」まで。


※「ちゅんま」とは「中国麻雀、国際公式ルール」のことです。

2020年はちゅんま元年。なぜなら、私がそう決めたから。

 一度でいいから、三国一夫(朝ドラ『走らんか!』の人)がCDを出した時の、電車内広告みたいなことを言ってみたかった。「君と僕はもう離れられない なぜなら 僕がそう決めたから」とか、そんな感じのキツいポエムを。『走らんか!』は菅野美穂のセーラー服姿がキツいな、と思っていた。『だんだん』の鈴木砂羽のそれを見るまでは。
 それはさておき、皆さんご存知の通り、今年に入ってちゅんまが大きな盛り上がりを見せている。私の主催するネットちゅんまサークル「ChunmaClub」には毎月のように問い合わせがあるし、私がネットちゅんま「閃麻」の個室を立てれば、必ずCPUが0~2人入って卓が立つ。
この熱狂を外へ!

 しかし、何かが足りない。ちゅんま元年と言われる割には、盛り上がりに欠ける。そう考えた私は、何が今不足しているのかを考えた。考えに考えた結果、「足りないのは自戦記、しかも平凡な人間の自戦記である」である、と考えた。
 ちゅんまの世界では、足りない物は自分で調達するしかない。古代ローマの自弁重装歩兵と同じである。
【参考】麻雀ダジャレクイズ:「共和政ローマの執政官は、1種類の鳴きしか出来ません。それは何でしょうか?」






 答えは「ポン。ポンする(コンスル)だから」

 ということで、平々凡々たるちゅんま中級者である私は、自分のネット対局(東風戦)の自戦記を書くことにした。

私はちゅんま中級者

私は中級者である。根拠は、「麻将世界」というネットちゅんまの統計で、
 ◇アガリ率 24.97%
 ◇トップ率 26.12%
 ◇平均順位 2.47

という実績があるからだ。対局数は6,400局(東風戦換算で 1,600回相当)、段位は「10級→五段3星」と変化している。
詳しいデータは、下のPDFをご覧いただきたい。

 まあ上級者には程遠い。麻将世界の、私が参加していたランキング戦の上位者は、こんな感じ。

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 1位の梁玉蘇さんが対局数12,464局でアガリ率28.79%、2位の璧寒さんは 19,886局でアガリ率は29.31%。率直に言って化け物である。

 しかし、化け物の打ち方をラーニングしようとしても、初心者の参考にならない。私のような凡人中級者が普段どのように打つかを知るのが、上達への近道と言っても過言ではない。
 ※注:本当はものすごくためになる。アガれる/アガれないの見切りが全然違う。

ネットちゅんまはいろいろ試す場所

 ネットちゅんまの個室は、段位や記録を競うところではない。いろいろ試す場所だ。なぜなら、私がそう決めたからだ。アイ アム ChunmaClub.
 私は現在、「閃麻」というネット麻雀の場で定期的に個室(無料)を立て、ツイッター「#ネットちゅんま」でメンバーを募って遊んでいる。8盤戦(日本でいう半荘戦)か、4盤戦(東風戦)が多い。
 何のために打つか? もちろん暇つぶしなのだが「色々試せるから」という理由も大きい。
 リアルちゅんまは違う。あれは順位点を得る競技で、ストイックだ。2時間近くかけて16局を争って、1着が+4、2着が+2、3着が+1、4着が0ポイントを得る。なんてムダな時間! でも私は1着8ポイント、2着4ポイントだけでもいいと思っている。あの緊張感、真剣勝負の味は、一度味わうと離れがたい。
 しかしネットちゅんまにはネットの気軽さ、楽しさがある。難しく考えず、自分が好きなように打つのがいい。ChunmaClubはいつでもあなたを歓迎する。

 前置きが長くなったが、自戦記を始めよう。2020-2-8に遊んだ4盤戦(東風戦)で、私がトップを取った。

★東風東(東一局)

配牌はこんな感じ(画像下)。

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 良い配牌だ。三色三歩高(6) 456w 567p 678s や花竜(8) 456w 123p 789s が見える。清竜(16) 123456789w もツモ次第では狙える。

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 8巡目テンパイ、しかし9巡目にこうなった。

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 7p で三色三歩高(6)平和(2)門前清(2)、10点以上が確定している。しかし2sを引く。
 ちゅんまで頻発する「三色三歩高(6)と清竜(16) or 一色三歩高(16) の2択」である。日本麻雀では、リャンメンテンパイのシャンテンを落とすことは考えにくいが、ちゅんまでこの形は 7p の片アガリである。7p を待ち続けて10点を取るか、1s と6s をゲットして18点を取るか。
 この件に関し、確率に関する議論は全て「テンパイ維持が得」と結論付けている。はずである。そんな議論があるかどうかも知らないけど。
 しかし、ちゅんまは「"点数の高さ"と"アガリの早さ"、そのバランスの見極め」がゲームの肝である。ということで、6pを切る。
 結果としては、清竜(16)平和(2)喜相逢(1)、19点(花牌入れて20点)の出アガリになった。6sは上家からチーしたので、門前清(2)は消えている。

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 テンパイを崩して清竜(16)を狙った理由は「他の3人が遅そうだから」。見づらいが、全体図を載せる。

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 対面(画像上)は「アルファファー(Alpha發)」というCPU。「AlphaGo」に名前を寄せているので勘違いしがちだが、AIではなく、かなり弱い。
 上家(画像左)は3wをポンしている。他者が最初にタンヤオ牌(ランクが2~8の牌)をポンする時は、まず五門斉(6)、次に混一色(6)、ポンポン和(6)を疑うが、進んでいる感じはしない。
 下家(画像右)の手は分からないが、9巡目なので、まあテンパイしてないだろう(適当)。ちゅんまは手役を作るゲームであり、なおかつ鳴くことで手役の点数が落ちることはないので、メンゼンにこだわる理由は薄い。単に遅いだけだ。
 これがちゅんまの押し引きである(適当)

★東風南(東二局)

 配牌は普通。花竜(8) 123w 456p 789s 、789の三色三同順(8)、ソーズの清竜(16)あたりが見える。

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7巡目にこうなった。打9p。

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 この手はソーズの清竜(16)が明確に見えているので、それ以外の牌は柔軟に対応出来る方がいい。つまり南を打つのが正しい。しかし南は場に1枚も見えておらず、下家(下画像右)は678wを鳴いた後、7pを2枚捨てている。恐らく南は1枚以上、下家の手牌にある

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 先程20点をアガって+44点なので、守備的に打つ余裕がある。こういう時は無理せず南を取っておく。読みが外れても、南はタンキ待ちの牌としては待ちごろである。
 結果は下家が上家から混一色(6)一般高(1)幺九刻(1)のアガリ。

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★東風西(東三局)

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 配牌はかなり難しい。五門斉(6)が本命だと思うが、その場合マンズ・ピンズ・ソーズ各1メンツしか使えないため、ソーズをここから3枚切らなければならない。ではソーズの混一色(6)に、と言っても、この形では仕掛けが難しい。はるか遠くに花竜(8)が見える。89wと56pに加えて1sが手に入れば、だが。
 進行は七対(24)を意識しつつ、ポンポン和(6)にも切り替えられるようにして、12巡目にこの形。

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 七対(24)のイーシャンテンだが、統計上、ちゅんまの平均アガリ巡目は13~14巡あたり。既に他者がテンパイしており、間に合わない可能性が高いので、金持ちケンカせず。
 この盤は対面のCPUが上家から三色三同順(8)門前清(2)、10点のアガリ。CPUの特徴である「門前清(2)にこだわる」「字牌を雀頭にすることを厭わない」が現れている。
※ちゅんまの平和(2)は、日麻とちがい、字牌を使わないのが条件。

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★東風北(東四局)

 点数状況を確認すると、
  ◇トップの私が +28点
  ◇2着のCPUが   +19点
  ◇3着の下家が    -1点
  ◇4着の上家が  -46点
 1~3位の3人は、何でもアガリさえすればトップになる。4位もトップとの差は74点。11点をツモアガれば一気にトップまくりだ。既に花牌が2枚見えてるので、ツモりさえすればほぼそうなる。
 4盤戦ではよくある、しびれる展開だ。しかし難しいことはない。最速でアガればいいのだ。

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 配牌はかなりいい。ランク3~5の牌がマンズ・ピンズ・ソーズにそれぞれあり、仕掛けやすい。
 4巡目にこんな形。

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 ソーズの形、s134 にちゅんまらしさがある。日麻では早い段階で1sを切ることが多いが、ちゅんまでは2種類の三色三歩高(6)を狙うために保存しておく必要がある。つまり 2pと5s、もしくは4pと2sで 異なる三色三歩高(6)を作れる。

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 三色三歩高(6)は統計上、全アガリの24%を占めるちゅんまの最重要役である。意識は常に持っておきたい。
 

 最後の局であり、アガればトップ。東風東のように悠長に構えている余裕はない。最速のテンパイを目指して、12巡目にテンパイ。

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 5sで 三色三歩高(6)平和(2)門前清(2)老少副(1)、ツモなら2sでも 不求人(4)門前清(2)老少副(1)喜相逢(1)のアガリ。
※老少副(1)… 123pと789p。喜相逢(1)… 234wと 234s。

 上記画像のように他者の手牌をオープンにして全体牌譜を見返すと、CPU以外はきちんとテンパイを入れていることが分かる。
 13巡目には、4着の上家が、3着の下家から出たアガリ牌の8wを見逃している。この手はツモれば逆転トップであり、場に出てきた8wは2枚目である。まだ山にある、という目算だろう。ちゅんまのゲーム最終盤ではよくある話。

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 最後は私が5sをツモアガリ。三色三歩高(6)不求人(4)平和(2)老少副(1)、13点でトップを守る。

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 結果的に、東風東(東一局)の20点のアガリが効果的だった。4盤(4局)しかない東風戦でテンパイを外すのは危険だが、逆に言うと確率的に自分のアガリは1回しかない。その1回をできるだけ高くなるように作るのが重要となってくる。

参考リンク(ちゅんま全般)

 これを見て、「こんな低レベルの人間が中級者として偉そうなことを書いているのか!?」と思った方。あなたは正しい。まったくもって正しい。
 もしあなたが上級者なら、ぜひ自戦記を書いていただきたい。私が1日100回は読む。
 もしあなたがちゅんまを覚えたい、と思ったなら、以下のリンクを参考にしていただきたい。

 読むのがめんどくさいなら、私(izumick)か pheebinさんにツイッターでリプライを送れば、だいたい返事がかえってくる(2020年2月現在)。2人ともダメな勤め人なので、仕事の合間にリプしてくれるはずだ。それ以外でも、ChunmaClubの面々であれば安心していい。ちゅんま打ちは仲間に飢えているので、初心者に厳しく当たることはない。

参考リンク(ネットちゅんま登録関係)

 最後に、もしあなたがネットちゅんまを打ちたい、と思ったならば、以下のリンクを参考にしていただきたい。

 紹介されている2つのネットちゅんまのうち、②「閃麻」というのが今の主戦場である。登録はメールアドレスさえあればよく、なおかつ認証メールが来ることはない(存在しないメールアドレスでも登録できる)というザルなので、「中華圏のサービスを利用すると個人情報抜かれるかも…」という方でも安心だ。


 それでは皆様、次の自戦記を楽しみにお待ちいただきたい。
ちゅんま元年!

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