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様々な列車とぶどう園を同時に楽しめます!

少し前まで マジでなんもない駅 だった塩尻駅が進化しているというのは、どうやら本当だったようだ。昨日、関西から甲府方面へ小旅行の途中の列車待ちで、駅構内や周辺やらを散策してそのことを痛切に感じた。

まず、日本で唯一というホーム上での葡萄栽培の売り出し方が良くなっていた。公式サイトによれば昭和63年からだということだから、物心ついた頃にはすでに存在した計算なのだが、どういうわけか記憶にないので、きっとこれは推し方が弱かったせいに違いない。

代わりに記憶に残っているのは、駅前商店街の廃れっぷりである。ほとんどの店がシャッターを下ろし、営業している店はほぼない。列車待ちの時間があるからといっても興味を引く対象は何もなく、散策したとて収穫なしで、寂しく戻ってくる以外ないという、残念な印象しか僕にはなかった。

それがどうだろう、その名も「アイマニ」という、列車待ちの合間にでも楽しめるというカフェ&バーが、コンコースと駅前ロータリーとの「合間に(中二階に)」できているかと思えば、駅ナカにも立ち食い蕎麦店ができおり、夏限定メニューを出したり、タクシーの運転手さんが蕎麦屋の常連となっているなど、賑わいが生まれてきている。

夏限定メニューの冷やしうどん(山菜・わさび入り)

またこれはたまたまではあるけれども、時節柄、塩尻出身の柔道選手の写真パネルが展示してあった。パリ五輪金メダル獲得を祝して手製の金メダルがかけられるなど、素敵な演出も加わっていた。

手製の金メダルがかけられるなど工夫の見られる紹介パネル

極め付けはやはりホーム上葡萄園の推し出し方だと思う。改札前には実物大と思われる模型のワイン樽を置いて、ワインの町をPRしていたほか、葡萄棚のある3・4番ホームにはその旨のわかりやすい掲示があった。また、ホームの端近くにある葡萄棚まで誰でも無事辿りつけるよう「キツネの足跡」が、乗車位置などのサインとバッティングしない絶妙の視認性で、葡萄棚まで導いてくれていた。

3・4番線へ向かう通路上部への掲示
キツネさんの足跡を辿っていけば行けるという案内

そして思わず感激してしまったのが、日本唯一の葡萄棚であることを知らせるPOPに書かれていたキャッチコピー。

様々な列車とぶどう園を同時に楽しめます!

そして〇〇〇系の〇〇や、***系の**などと葡萄棚とのコラボ写真が数点掲載されていたのである。

確かに、それこそがホーム上に葡萄園があることの1番のPRになるのであるにちがいないのだが、そこに気付き真正面からそのことを訴求してくるまっすぐな姿勢に、すごいと思い、心を打たれたのだった。

ワイン樽と葡萄園


ナイアガラ・メルロー 2種類の品種が栽培されている

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