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明け方に餌入れの前に佇む老犬を見た

深夜の徘徊と夜鳴きが続く15歳のおむつパグちょこ。
細切れにドックフードを与えるとなんとか落ち着くので、それでしのいでいるというのは前にここにも書いた。
パグは肥満しやすいので、一日の量を小分けにしている。薬もドッグフードの量も管理して、病院にも定期的に連れていく。がんばっている。でも、慢性寝不足でしんどい。

おととい、徘徊していた老犬の吠え声が止まったので、いったいどうしたと不安になり見に行った。
そうしたら、彼はじっとからっぽの餌入れを覗き込んでいた。
窓から差し込む月明かりが逆行になって、ちょっと貧相になったおむつ姿のパグ犬のシルエットを映し出している。私が近づいても動かなかった。ただただ、餌入れを覗いていた。


そんなに食いたいか。


老犬の徘徊と夜吠えは、痛みや不安から来ると聞いて、いろいろ切なく思ってきた。でも、あの時餌入れを覗き込む老犬の背中から伝わっていたのは、ただただ

メシハナイノカ
メシヲクレ
メシモラッテナイ
クワセロ

なのじゃった。

そうだったよ、この子のキャラはずっとこうなのだった。寝ていたずらして食べる。起きて食べる、また食べる。食べることへの飽くなき執念の塊だったんだ。
だからもう、思う存分食べさせてやろうと思った。
パグ犬にとって肥満は大敵だったのだけれど、もういいんじゃないの? 最後のほうぐらい、食べ過ぎるぐらいでも。

そう思った。

そんなもんで、明け方に食べさせるドッグフードの量を思い切って1,5倍に増やしたら。


寝た。

パタリと、寝た。
とりあえず昨夜は、食べて、寝た。

以前、量を増やしても起きたことがあったので、明日はどうなるのかわからないけど、でも太ったってなんだって、そんなに食べたいのなら食べればよいよ。食べろ。
その力で、生きればよいよ。

ということで、私も寝た。

よかった。
まだまだ頑張るよ。

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