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性加害に加担する女性のこと

このところ、映画界などからの性加害の報道が続いて、自分の地位や力を盾に、女性に関係をせまる男性たちへ声をあげる女性が増えていて、それはさぞかし勇気がいることだったろうけれど、とにかく「知られる」ことになってきているのは歓迎すべきことだ。

自分が若かった頃からはもう何十年も経過して、いまや当事者としての立場ではなくなっているけれど、それでも彼女たちの経験を聞くと、自分が生きた時代が苦々しく思い出されて、今でも気分が悪くなる。
改めていろいろ書く気にもなれなけれど、とにかくこの手のことをする輩は、「くそくらえ」とまぢ思う。

今日読んだ園子温の記事で、関係を断ったらその場で別の女優を呼び出して目の前で性行為を始めたという話があった。その人は一緒にいた助監督が外に連れ出してくれたので助かった、と思ったら、その人も彼女をラブホに連れ込もうとした。。。という二重被害にあっていて、ほんと、絶望感半端ない。でも正義の味方のフリをして、結局同じことをしようとする人に、私も遭遇したことはある。ほんと、勘弁してくれと思う。

それで思い出したのだけれど、以前知人(20代、A子とする)が芸能人(当時30代後半ぐらい?)とつきあっていて、彼との関係をそこかしこで自慢していた。その芸能人には妻がいたけれど、それはそれで自己責任なので、まあ、聞き流していたんだった。
そうしたらある日、共通の知人(20代、B子とする)にこんな話をされた。
「誰にも言わないでね」と。

ある日、その芸能人は、セットでよくテレビに出ていた有名人と2人でA子を食事に誘った。相手が2人なので、A子は当時とても仲が良かったB子を呼び出して、4人でカラオケ店に入った。
楽しく歌っていたら終電がなくなり、仕方ないのでビジネスホテルに泊まろうということになる。B子はてっきりA子と一緒の部屋だと思ったのでついていった。
チェックインしたら、A子は迷うことなく付き合っている芸能人と一緒の部屋に、何も言わずにサッサと消えてしまった。そして、もう1人の男性(はっきり言ってジジイの年齢)がB子を部屋に連れて入り、襲われた。

B子は泣き叫んで逃げ回って、その様子があまりにも激しかったので、ジイサンは関係を諦めて、泣き続けるB子と一緒の部屋で朝まで過ごし、B子は始発で家に帰った、と。

最初にA子のことを「知人」と書いたのは、その日から私はその子のことを友人と思わなくなったからだ。それって自分の不倫相手の仲間に、自分の友人をあてがったことと同じなわけで、こうして女性が性被害の加害者に知らないうちに加担していることも、あるような気がする。
その場にいたわけでもなく、何の関係もない私がそんなことを言っても痛くも痒くもないかもしれないけれど、あの時感じた深い怒りのようなものは、いまでも昨日のことのように思い出す。
あの日からずっと、私は彼女のことを許していない。いや、私が許す許さないの問題ではないのだろうけど、許していない。

冒頭の映画監督の話で、呼び出されて出てきて、別の女性の前で性行為を見せることは、別の女性へ加害しながら、自らも被害者になっているわけで。A子も、芸能人と付き合える自分、モテる自分に酔いながら、結局は自分も被害を受けているということに気づいていなかったのかもしれない。

あれから何十年も経ったというのに、結局地位や力を利用して関係を持とうとする人は減らないようだ。でも、声を上げてもよいという風潮になっていくのは、よいことだからほんま、みんな頑張ってほしい。
当時、私が鼻息荒く怒りまくっていた横で、「でもついていった私も悪いから」とか「彼女もいい人だから」と、決して怒りを露わにしなかったB子のことが本当に不思議だったけれど、でも、いまでもそんな風に去勢されている子は、どこかにいるような気がしている。
怒れ、ちゃんと怒れ。怒っていいんだから。

今日、ちょいと思い出して、そしていまだに「絶対許さない」と思っている自分がいたので>笑、ちょろりと書き留めておくことにしたんだった。

B子は泣きまくって無事に帰ってこれて、本当によかった。
あれから、その有名人だった2人の顔は見たくもないので、テレビに映ったらすぐ消していた。正直、吐き気がした。
いまではもう見なくなった、ほんとうによかった。




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