頂上で食べたおにぎり

みなさんには忘れられないほど美味しかったご飯を食べた経験はありますか?

私にとってそれは、中学二年生の時に山の頂上で食べたおにぎりです。

私の母校には、中学二年生の宿泊学習の目玉として山登りがあります。標高は1700mほど。
富士山と比較するとそう高くはないと思われる山ですが、体力がない私には過酷な経験でした。

前日に雨が降ったこともあり、足元はグショグショで歩くことすら大変でした。水をペットボトル2本分、あとは、しおり、タオル…リュックにたくさんの荷物を入れて登ったので、より大変でした。

登りはじめは順調でしたが、8合目に到達した辺りから、私の体に異変が生じ始めました。

頭が痛い、気持ちが悪い、体に力が入らない

そんな症状に襲われた私はなかなか次の一歩を踏み出すことができませんでした。今思えば、あのときの私は軽い高山病だったのだと思います。本来であれば途中下山するべきだったのですが、先生方が厳しく、そのまま頂上まで登ることになりました。

やっとの思いで頂上に着き、天気も良かったため予定通り頂上でおにぎりと唐揚げを食べました

ここで私は忘れられないほど美味しかったご飯に出会うことになるのです。

天気の良い日に疲れ果てたなか、山頂で食べた梅干しと鮭の2つのおにぎりと2つの唐揚げは今でも忘れられないほど美味しかったですし、
その後何を食べてもあの時の美味しさに勝るものはありません。

2つのおにぎりと2つの唐揚げは、そんな思い出だけではなく元気もくれました。

ご飯を食べ終わったときには、私の身体は快調になっていました。その後の下山、他の日程も難なくこなしました。もっと言えば、朝より調子が良かったです。

あの時のおにぎりは、私の身体に元気をくれました。それだけではありません。忘れなれない味を教えてくれました。


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