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BBQの思い出

私が新入社員の頃、ろくに働きもない割にはボーナスが出たので、夏休みにちょっと旅行に出かけることにいたしました。場所はどこでもよかったので、昔友人に薦められた直島というところをが気になっていたのを思い出し、一人分で安い宿を予約しました。

私は宿など寝られればいい男なので、ちゃんと調べていなかったのがまずかったのでありますが、その宿はテントを貸すところで、キャンプができるようなところであったのです。しかし直島は大変きれいな良いところで、天気も良くてテンションも上がっていたため、一人テントもなかなかオツなものだと呑気に手続きをとっていました。

「お食事はいかがなさいますか。和食か肉料理となります。」

「そりゃあもう肉でお願いします。」

高テンションには肉だろうよと即答いたしましたが、この即答が間違いであった。18時に指示された場所に行きますと、「肉料理」はバーベキューであったのです。一人でバーベキューするバカがどこにいようか。しかしもう後には引けないし、非常に腹も減っているので、私は屋外に置かれたファミリーサイズの鉄板に、黙々と肉や野菜を載せていくことにいたしました。周囲には家族連れや大学生の集まりが四面楚歌にようにおりましたが、外部の目はどうでも良いほど腹が減っていたもので、一心不乱で肉を焼いては食っておりました。ビールをやっているうちに、「おお、これは一人バーベキューは悪くないぞ」という気になってきた。ちょいとイイ肉を追加で頼み、意気揚々と満腹になり、テントに飛び込んでご機嫌に寝てしまいました。

一人でバーベキューをする際には、食べ物を置くペースを抑えないと焦げてしまうのです。つい、体が「大勢でいる」つもりで食べ物を並べてしまうのですが、食うのは自分だけであるわけです。これは一人BBQのポイントであります。

この「一人バーベキューはそんなに悪くない」という話と、一人BBQのポイントを連休後に同期にしたところ、死ぬほど笑われて「お前ほどの変態は見たことがない」と言われました。今でこそ、あの日の私はトチ狂っていたと思います。BBQはみんなでやるから面白いんだということを、一人でやって改めて思うことができる「一人BBQ」。私はこの夏おすすめいたします。

すみません。おすすめいたしません。

#すごいBBQ #すごくないBBQ

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