第213回国会における上川外務大臣の外交演説

1.    いまだに米国のポチか?

演説の中で「ロシアのウクライナ侵略」という一方、今2024年1月末でパレスチナ側発表で、イスラエルによる無差別空爆、戦車等の一方的殺戮によるガザ市民死者2万6千人(空爆:無差別殺戮による瓦礫の下の行方不明者、及びイスラエル占領ヨルダン側西岸死者含まず)に関しては、「ハマス等によるテロ攻撃を改めて断固非難すると同時に、ガザ地区の人道状況を深刻に懸念しています。人道状況の改善、事態の早期沈静化、周辺地域への波及防止といった課題に対処すべく、私自身、対応に当たってきました。
と言っているが、日本主体で何か具体的に目にみえる成果を挙げたのだろうか?
しかも米国も「攻撃された」とし、国家主権を侵犯し、被ったと主張する人的被害の何十倍もの人殺しを日常的に行っている事実には全く触れない。
そのくせ「人間の尊厳」などと軽々しく言っている。

更に2023年10月7日ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した際、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員が関わっていたというイスラエルの言い分に基づき、未だにイスラエルを非難しない米国や、その追随国同様、日本もUNRWAへの資金拠出停止するという決定を行った。それにより、ガザでは、現在生きている人間さえも飢餓や医療が受けられないで死んでいく人々が増えていくのは明白である。これでも「人間の尊厳」と格好つけられのか!

演説の全文に見えるのは、未だに盲目的な米国追従の姿勢だ。
ここまで大量虐殺をしてもイスラエルを非難できないどころか、自分達も同様の行為を継続している米国の姿勢を見れば、イスラエルだっていう事聞く訳ない。
それに対して日本はイスラエル非難をした事があっただろうか?

外務大臣は海外訪問すれば、自分の宣伝にはなるだろう。それだけではないか! 今までの外務大臣の多くのそうだった。

では拉致問題は「内閣の最重要課題」と言い続けながら、どうして何十年も解決の糸口もできない。
「あらゆる機会を捉えて」と馬鹿の一つ覚えみたいな事を歴代内閣が言ってきたが、外務省・外務大臣も、結局何もしてこなかったし、今後もしないのだろう。
「米国と協議しながら」じゃなく、自国の問題だ。主体的に動けよ。
一方で北朝鮮への非難は、米韓と欠かした事ないが。

2.    更にODAの認識。 
「様々な主体(民間企業、公的金融機関、国際機関、他ドナー、市民社会、地方自治体、大学・研究機関、等)を開発のプラットフォームに巻き込んで連携し、互いの強みを持ち寄り様々な協力を組み合わせる。」オファー型協力や民間資金動員型ODAを標榜しているが、それを調整するのはどこか? JICA? 外務省? 両方ともそんなことできる職員がどこにいる? 

コンサル任せ? これも駄目。

一つのプロジェクトには広い正負の側面を検討する必要があるが、インフラ中心のプロジェクト中心コンサルでは、そのプロジェクトを行うための前提条件、負の部分や広い分野の検討ができない。

では人材育成や制度作り等ソフト中心コンサルはどうか? 
現場経験ないから単に日本や他先進国が作ったマニュアル等を紹介するだけで、「やってますよ」だけのODA予算の無駄使い。

民間企業、公的金融機関、国際機関、他ドナー、市民社会、地方自治体、大学・研究機関、等も自分達の分野だけでプロジェクト全体像を描けない、日本での事例しか知らない、修羅場をくぐった現場経験がない、内容が重複するなどの理由で相手国のニーズや程度に見合ったプロジェクトとならない例は、筆者はNOTEで何度も投稿した。

また、これからも言葉だけで「やってますよ」だけの無駄な税金が使われるODA例が増えるだけ。

演説の全体印象としては、将に官僚が作成した綺麗ごとの総花的な演説内容で、一国の総理大臣候補と言われる上川外務大臣にしては、岸田首相同様、言葉遊びが先行し、行動が伴わず、印象やインパクトのない内容であると言わざるを得ない。

本当に有難うございます。励みになります。元々書くことは好きなのですが、一旦書き出すと長くなります。こんな時、絵心があればと思います。