劣化ウラン弾供与は許されるのか?

英国が劣化ウラン弾を英国製主力戦車の弾頭として劣化ウラン弾をウクライナに供与するという。

英国は劣化ウラン弾は「核兵器ではなく純粋な通常兵器」、米国は「一般的な弾薬で何十年も使われている。ロシアが(自軍)の戦車を心配するなら(ウクライナの)国境を越えロシアに戻ればいい」(2023年3月25日毎日新聞朝刊)とほざいている。

純粋な通常兵器だと!
同記事には「米軍がイラク戦争で使用後、現地では子共の先天性異常が多発したとも報じられ使用禁止を求める声も根強い」とある。

自分は国際協力銀行の環境案件調査で1998年にウクライナへ行った時、飲料水や大気汚染基準の中に放射能が含まれていたのを見て驚いた。当時日本に放射能に関する基準はなかったからである。またウクライナでは基準があっても実際測定しているのか疑問に思った。

1999年にNATOが空爆で介入したコソボ紛争直後のマケドニア(現、北マケドニア)に日本の支援を探るJICAの仕事で行った際、マケドニアでも飲料水や大気汚染基準の中に放射能が含まれていて、環境省試験室に古いタイプの放射能測定装置が置いてあるのを見て、またしても異様な感じを覚えた。

ところがある日、懇意になった環境省の役人から、「ある村に劣化ウラン弾みたいなものが発見された、これから調査に行くから同行しないか」と誘われ、現場へ同行した。
劣化ウラン弾自体は土中に埋まっていたようだが、環境省職員が地上の放射能を携帯用放射能測定器で測定すると明らかに反応があった。環境省職員達は「NATOの奴め」と憤っていた。

当時自分は劣化ウラン弾の事など知らなかったが、他国の援助機関関係者の殆どは記事で書かれたいるような事を知っており問題視していた。

「劣化ウラン弾は通常の兵器だ」とよく嘘が言えるものだ。
また米国が嘘とでっちあげで世界を騙し始めた、そして英国が追随したイラク戦争より10年以上前から劣化ウラン弾は使用されているのだ。

更に原子力百貨事典によれば、「劣化ウラン弾は湾岸戦争、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク戦争などで使用されたが、戦後、現地住民やイラクやユーゴスラビアの戦闘に参加した米軍兵士に、がん、白血病、免疫不全、慢性疲労など様々な体調不良を訴えるものが続出した。」とあるが、「一方で、世界保健機関(WHO)や米国国防省などは「帰還兵や紛争周辺の住民の変調が劣化ウランによるものである、という科学的な証明がない」と否定的立場をとっている。」という。湾岸戦争は1990年に起きている。今から30年も前ではないか!

嘘で固めて戦争を起こすのが得意な当事者の米軍や米国の言いなりのWHOが認めるはずがない。
やはり米国がでっちあげで正当化し始めたベトナム戦争で米国が多量に使用した枯葉剤の影響もうやむやにされているではないか。

米国は「一般的な弾薬で何十年も使われている。、ロシアが(自軍)の戦車を心配するなら(ウクライナの)国境を越えロシアに戻ればいい」というのは、いまだ、110兆円(世界の総軍事費の40%)の軍事費予算とする米国の思い上がりの恫喝に過ぎない。
供与した武器がウクライナに残り、またどこかに転用し使用されるとすれば、そこで一瞬のうちに人命が失われ、劣化ウラン弾使用は、指摘されているように何代にも渡っての健康被害が予想されるのである。

今や明らかに欧米とその追従国とロシアのイデオロギー戦争となっている。
明らかにロシアの敗北であるが、すべてロシアが悪いからとウクライナへの無制限な武器供与が正当化されるのであれば、ウクライナも戦後は結局米英を中心とした連合国の傀儡政権・国家となり、ついには植民地的な位置付けとなることだろう。

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