タリバンよ、女性の力を認めて国力回復を!

アフガニスタンでタリバンが政権を回復してから、もうすぐ2年になるが、承認したのはいまだ数カ国である。
米国が散々荒らしまわったあげく、手に負えなくなり2021年夏に撤退した後、これまで地震や飢餓の問題があっても国際機関は充分な援助の手を差し伸べない。
その最大の原因は、就労の禁止、教育の禁止等やはり女性に対する抑圧的政策にあるのは間違いない。

私は40年以上前に、ある環境分析所、特に液状廃棄物分析証明所の責任者になった。部下は全員若い女性。殆どが一流大学卒。

私としては分析は一つの手段であり、それを何に利用するか、何の為に分析するかを考えて貰いたかった。
当時の彼女達はJIS等の分析手順通りに行えばいいというルーチン思考であった。
ところが当時のJISは実際の液状廃棄物分析をしていると、前処理方法等で問題があった。
そのため正確な分析数字を得るための前処理方法の研究を各自の課題とした。
当時はまだ土曜日は半日働く時代だった。
通常の分析は金曜日中に終わらせ、土曜日は、その研究のための日とした。そして定期的に会議を開き、皆で検討した。
その過程を得て、JIS法に書かれている加える試薬の意味、量の理解、及び他の項目で使用されていた添加試薬や手順が有効な事も知った。
そうしていくつか独自の分析マニュアルも作成した。
このことは私にとっても非常に有益で、後年のODAコンサル時代、分析等の指導に当たり、非常に有益であった。

こうして彼女達は色々な事を経験・知識を得て分析のルーチン業務以外にも興味を持ち始めたのを見て、何人かに当時国際条約で決められた廃棄基準強化のための処理方法を開発するための液体廃棄物処理実験に参加させた。
この時、彼女達は逆に分析の前処理の分離技術や固定化技術が役にたった事、及びその処理実験の結果を分析で評価する事を学んだ。
それがまた自信を生み、ルーチンを金曜午前中までに終わらせ、金曜日の午後と土曜日の午前中は自分達で自主的にテーマを見つけ取り組むようになった。

私は、新しい廃棄物処理法開発・施設運転が順調にいったのを見届けた後、この会社を退職した。
自分がいなくなった後、親会社の都合でその会社も閉鎖されたが、何人かの部下は責任者として他社に就職した。
その時の経験から女子の潜在能力の高さを感じるようになった。

その後ODAコンサルとして25ケ国以上で分析技術を含む水質管理の指導を行ってきたが、教わる方も女性、特に若い女性が熱心だった。
男は概して狭い知識を持っているだけで、やらせてみるとてんでだめという方が多かった。

また自分の通訳は、圧倒的に女性であった。
自分の分野は特殊で専門知識を持った通訳は、まずいない。女性の通訳は初め分からなくても積極的に聞いてくるので教えがいがあったし、彼女達も期待に応えようと家で復習や勉強する。そして現場に何回も連れて行くと要領が分かってきて、こちらが言う前に、教える内容を喋ったり、或いは実験等の指導をするようになる。場合によっては男性だけの技術移転先から苦情が来たこともあったが。

発展途上国でも、家事をきちんとしながら働く女性も多く、「うちの旦那は・・・」など、時には悩みも打ち明けられたが、とにかく、関わったどこの国の女性のバイタリテイーや向上心は凄い
時として国を支えているのは女性ではないかという思いを強く持たせてくれた国が多い。

タリバンも自国の発展を願い、国造りのため海外からの支援を軌道に乗せようと思うなら、女性の潜在能力を奪ってはならない。
イラク等のイスラム国だって優秀な女性を何人も知ってる身から見れば、タリバンの女性蔑視は全く理解できない。
国の発展、個々の幸せを追求・実現させるのが為政者ではないか!


本当に有難うございます。励みになります。元々書くことは好きなのですが、一旦書き出すと長くなります。こんな時、絵心があればと思います。