白鵬引退報道に見る日本人の人種差別

白鵬の引退に関して毎日新聞で「歴代担当記者が見た白鵬」という記事を読んだ。

まず相撲記者倶楽部会友 武藤久 氏は記事の後半白鵬批判に明け暮れている。
最後に宮城野親方をも中傷したり、白鵬について「燃え尽きての引退であることを望むが、そうでないとしたら身から出たさびといえなくもない」と何を寝ぼけた事言ってるんだ！　余りにも失礼だろう。

氏は中止となった昨年5月場所のことで、“焼き鳥とビールで大相撲を楽しむという伝統的な事ができなくなった”旨の事を毎日新聞に書いていた。
相撲を見世物のように考えている人なのだ。
そんな人が大横綱に対してこうした捨て台詞を言うとは。

相撲記者倶楽部とはこんな連中の集まりなのか？
この倶楽部の活動を明らかにして欲しいね。まさか朝乃山事件のように力士や相撲協会にたかる記者の集まりではないと思うけど。　

また、その話題に関連して横綱審議委員会元委員長守屋秀繁氏の発言が載っていた。
稀勢の里が横綱になる内規に満たさないのに横綱にさせた横審委員長である。

氏の発言の2/3は白鵬批判。記事の題名は“「綱の品格」疑問残った”である。

では聞こう。「綱の品格」とは何かを記者会見で語ってもらおう。

その昔大鵬・柏戸がハワイ巡業から帰国する時、ピストルを持ち込んだ。
北の湖は巡業中に人前でアイスクリームを食べて注意されたという。
大乃国は横綱で負け越しても引退しなかった。

稀勢の里・貴乃花は1年以上休んでも引退を促す“注意”など受けなかった。
また、貴乃花が最後に優勝した時の鬼の形相に褒めこそすれ、苦言を呈した者がいただろうか？　
普通ならあれだけ手負いなら相手の武蔵丸がやりづらいのが当然ではないか。

また、若貴の若の花も負けた時の態度酷かった。
ろくに礼もせず土俵を降りた。

こうして見ると、何故白鵬だけ責められる。
それは何故か？

早大教授リー・トンプソン氏は、ずばり言い当てている。
「白鵬ら外国人力士らの行動に疑問符が付く場合、言動そのものではなくその出身に結ぶ付けて問題を風潮があると感じている。」と。

そうなのだ、横綱に限らないが、日本人力士の土俵上での振る舞いが問題とされたことはなく、問題とされるのは外国人ばかり。
まさに島国根性・人種差別なのだ。

ここ暫くモンゴル出身力士の活躍で大相撲は持ってきたのだ。
相撲界のみならず日本社会に多大な貢献してきたことに感謝こそすれ、それを忘れて負の事ばかりを強調するのは、むしろ日本人として恥と感じよ。

今の現状を見よ。
照ノ富士は今は日本中で持ち上げている。
それに全く異論はないが、そのうち「“伝統”に反するから土俵入りの時サポーターをはずせと」いう輩が出てくるだろう。

しかしながら、今の膝の状態では残念んがら照ノ富士も短命で終わるであろう。

そしてだらしない大関を見よ。
照ノ富士が早晩引退したら、横綱不在の大相撲が暫く続くだろう。
まあ、苦肉の策として、また内規に満たない者をところてん式に昇進させるのだろうが。

白鵬には本当にお疲れ様と言いたい。
個人的には仕事でモンゴルに行った時の飛行機で白鵬が1列目、自分が2列目で、白鵬の名の由来など聞いたことがある。
見も知らない人間に対して受け答え実に丁寧で、時間さえあれば、飛行機の中でも昔の相撲のビデオを見ていた。

ここ数年、出場しても膝の具合相当悪いと一目で分かっていた。
それでも“オリンピックまでは”と、まただらしない相撲界のためにと我慢して相撲をとっていたのが痛々しかった。
そうした白鵬の苦労・苦悩・貢献を決して忘れるべきでない。

オリンピックの開会式の際、何で横綱土俵入りがなかったのか不思議でならない。これも外国人横綱だったせいか。

なお、親方になることさえも嫌がってる相撲協会の勢力があると聞く。
最後に白鵬に理事長になられるのが怖いのか。それこそ島国根性。

それならモンゴル人力士・外国人力士それと親方を追放してみろ。そして外国人やハーフの入門禁止にしてみろ。
いつまでも愚にもつかない「国技」だの「伝統」だのと訳も分からずにしがみついてるなら、そのくらいの覚悟を示せ。

そしてケチつけるだけの横審など必要ない。

先に挙げた日本人横綱には甘く、一方箸の上げ下ろしまでケチつけてんじゃないかといびって朝青龍・日馬富士を引退させ、今日の大相撲の衰退・危機を招いたのは、横審なのだと言って置きたい。

白鵬に”何故ひじうちを使うのかテレビ会見で明らかにしろ」などと言ってるのは誠に見当違いで、自分達こそテレビ会見して今日までしてきたことの反省の弁を述べよ。
自分達は選民と思ってるのか？

又、マスコミも横審と示し合わせたのか、或いは煽ったか、今日の大相撲の事態を招いた責任をどうやってとる？