コロナ報道に思う

一時より新規感染者が減少してきたとは言え、今だバラエテイ番組含めテレビ等マスコミでは全国的に新型コロナ感染が広まっていると連日の見出し・話題になっている。

一方先日高橋内閣参与はオリンピック・パラリンピック開催を後押しするための一つのエビデンスとして、コロナ感染者が我が国より10倍以上拡大している、或いは拡大した欧米他国と比較したグラフを作成し、「我が国は“さざ波”なのに何でこんなに騒いでいるのか」と主張し世間に波風を立てていると報道されている。

実際の新規感染者数がセンセーショナルに予想した感染爆発とは言えない状況にも拘わらず、連日の各々マスコミの金太郎あめ的報道に最近嫌悪感さえ感じてテレビつける気のしない自分も高橋氏の主張にも一理あるようにも感じる。(氏は数日前同様の主張を他の言葉で言い換えたが、批判を浴び辞職した。)

では何故“さざ波”程度で我が国の“医療崩壊”、“医療崩壊の危機”もまた連日叫ばれているのだろうか? ツィッター上に溢れているように、これもまたマスコミの煽りなのだろうか? 逆に“医療崩壊”、“医療崩壊の危機”状態が真実なら日頃医療支援をODAの目玉の一つにしている我が国の情けなさを世界に発信しているようなものだ。

以前感染者数を各保健所からFaxで送られてくる数字を集計しているとの報道があったが、これとてデータ管理体制の構築・運用トレーニングを必ず求められるODA経験者から見ると偉そうなこと言ってないで足元を見なさいと将に笑ってしまう。

更に都道府県間の連携の必要性が未だに言われているが、災害時の広域医療体制の構築についてはもう10数年以上前から提唱されていたはずで、医療体制不備について何を今更という感じである。 結局建前・掛け声ばかりで偉そうに発展途上国にODA行う資格あるかと自問すべきである。

現実に昼夜問わず現場で新型コロナや一般医療や介護に携わっている医療・介護従事者には心から感謝を表したいが、政治家・行政・歴代医師会の上層部の責任は重いと言わざるを得ない。 また連日コメンテーターとしてテレビに出ている責任ある地位の医師も同様であろうと思う。

また、“医療崩壊”、“医療崩壊の危機”と連日叫んでいるなら、何故各社マスコミはオリンピックや聖火リレーに反対の論陣を自ら張らないのか? 間接的に「街の声」なるものを流してお茶を濁す。
最近ではむしろ“大本営”NHKのみならず民放でも横並びで聖火リレーや“選考会”・“選手”の動向が頻繁に報道され、新規感染者数等の取扱いは減ってきているように感じる。

政府の分科会やテレビに出ている医師が言っているからと言って飲食、特に飲食店での飲酒が感染源になり得ると考えてるのか、酒を提供する飲食店へのしつこいレポートの他、最近では飲食店への酒の持ち込み、路上飲みのレポートをしても、では酒を売るコンビニ・スーパーへの取材・レポートはしない。丁度以前東京での緊急事態宣言中の代議士の深夜までのはしご“会合”はどこでも同じ報道をしたのに、店側の取材はしないのか、しても放送しないのか、将に片手落ちで済まされている。

第一、夜6時頃から民放では酒類製造会社のコマーシャルが目に余るのにこれらのスポンサーには何も言えない。夕方から酒の宣伝が盛んになれば、またコンビニ・スーパーで酒売っていれば吞兵衛はどうしてもどこでもいいから集まって飲みたくなるのは仕方ないだろう。自分は酒飲まない・飲めないから吞兵衛の深層心理は理解できないが、以前愛煙家の頃増税に継ぐ増税等含め散々いじめられた経験から、旨そうに酒を飲んでいる宣伝を見ればなかなか吞兵衛が我慢できないのは想像できる。ただし愛煙家は集まって大声出すことはしないが。

早くコロナ感染終息させ、どうしても“オリンピック精神”に則ったオリンピックしたいなら、民放各社は酒造メーカーの宣伝を断るくらいの意地を見せよ。
また、酒造メーカーはコマーシャルを暫く自粛するくらいの自覚をせよ。

なお、高橋氏の主張にも一理あると思いながらも、自分も死に対して加害者・被害者になりかねないと考えたら、やはり容認すべきではない。世界に比べ、我が国はいくら感染者数や死者が少ないと自慢したところで、このコロナ感染で亡くなった方の家族・友人の無念さ・心の傷は消えないのである。

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