2020/5/1 Massdrop x Empire Ears Zeus Universal IEMs

非常に難しい

これは何?

イヤホン。14BA搭載。7wayクロスオーバー。元の値段を考えると破格だけれど、それでも高い

14ドライバー、7wayという頭の悪い数字が目を引きますが、最初に抱いた感想は人類には早すぎるというものでした。強すぎるホワイトノイズ。イカれた高感度。何に繋げば正しく鳴るのか全然わからなかったため1年ちょっとほぼお蔵入り状態でしたが、最近買ったiFi audioのIEMatchに繋いでからだいぶ感想が変わったので記事にしました。

インプレッション

14ものドライバーを搭載しているのだからさぞかし解像度が高いのだろうと思ったのですが、ファーストインプレッションはもう少しもっさりした感じの音質でした。ハイに寄ってるのに解像感が出ない。どういうことなのか。付属ケーブルの質の悪さだとか高感度ゆえiPhoneみたいな貧弱な環境じゃないとまともに聴けないとか色々足を引っ張ってる面があったのですが、やはり尋常じゃないホワイトノイズが色々と悪さをしていたようで、体調の良し悪しでかなりインプレッションが違いました。低域の出ない、トレブルよりのイカれたサウンドという印象だったのですが、IEMatchに繋ぐとトレブルが丸くなって、低域にもう少しフォーカスした音質に変化しました。これはアッテネーターがゆえの音質劣化によるものだと思いますが、何より変化が大きかったのは横方向への音場の拡大です。他のレビューを読んでみましたが、IEMatchはどうもそのような味付けをするらしく、通常の状態よりも前方定位したような音質にも感じられます。UltrasoneのS-Logicとかなり近いですが、物理的なドライバーの配置が変わっているわけでないのに、抵抗値の変更だけでこれだけ変化が出るのは驚きました。元々横方向に広がっていた音質が高いノイズフロアのせいで隠れていたというのもあるかもしれません。Panが振れてない音は前方に極端により、Panが振れている音はかなり横に出るので、慣れてない人は酔うと思います。僕は酔いました。

得意な音源はやはり音数多めでHiFiな音源ですね。録音状態が悪い音源とか元々のっぺりした音源は結構最悪に聴こえます。HiTechを流すのが良いと思います。あとはASMRの臨場感がすごい。EmpireEarsは元々Earwerkzというメーカーで、そこで出していたLegendRというイヤホンの音の生々しさがすごいという噂を聞いていたのでずっと気になっていたのですが、その片鱗を見た気がします。一番得意な音源はASMR。間違いない。

まとめ

割と最悪なファーストインプレッションから、かなり良い、というかめちゃくちゃ良いインプレッションに変わったので最近よく使っていますが、音響機器として良くできているか否かではやはり失敗作でしょう。単体で完結せず、しかも元の設計から音がずれているかもしれないというのは問題だと思います。持て余しているという人はIEMatchをつけて粘り感の出るDACに繋いでもらうとかなり良い感じになるので試してみてください

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