ネトゲ廃人から足を洗ってみた

スクエア・エニックスが提供しているブラウザゲームのタイトル=戦国ixaなるゲームにどハマりしていた。このゲーム、暇人&金持ちが無双できるゲームであり。「&」でなく「or」の場合は「暇人+粘着質な性格」が重要な要素だったりする。そこに課金が加われば本当に、実生活では味わえないヒエラルキーの頂点気分を味わえる。

このゲームがリリースされたのが、東日本大震災の少し前。

そして、震災があり。日本国内に閉塞感が漂う中、私個人、なんとなくプレーを始めた。こうしたゲームで遊ぶ事がなかった分、新鮮であり…同盟と言う友達に似た人々と知恵と勇気と戦略を駆使して戦う仕組みはとても面白く感じた。

ただ、無課金ではどうしてもついていけない領域が生まれ始め。

1000円、3000円と少額課金を繰り返すうちに万単位の課金に躊躇が無くなった。そして課金した分、楽しまねば!と言う意識も強くなり。東日本大震災の閉塞感が世の中から消えた後でもなぜかプレーを続けていた。「このままじゃダメだ!」と思い、アカウントの消去を何度かしてみても数ヶ月後には復活をしてしまい。

サービス終了までダラダラプレーを続けるんだろうなーと…諦めの境地に似たものを感じていた。

そんな中、コロナウイルス感染症の影響で労働環境がまるっと変わった。勤務先が在宅リモートワークに舵を切り、自宅での労働に切り替わった。以前であれば職場にいる分、限られた時間を見つけゲームに興じていたのだが…在宅になるといくらでもプレー時間を捻出できる。以前は「張り付き暇人には勝てないし勝ちたくもないw」と小馬鹿にしていたタイプのプレーヤーにもなろうと思えばなれる状況。手札はすでに鍛え上げており。

コロナ禍において「ゲーム内で無双できる環境」が整った。

同時に、「それはとても虚しい」と…誰彼に言われるでもなく自分自身で気づいた。

こんな言い方をしてしまうと大変申し訳ないが、このゲームを熱心にプレーしている人は「バカ」だと思っている。何ゆえに運営が用意した沼のような課金システムを信奉し、ろくにサーバ増強もしないストレスフルな環境とデバッグすらしない不完全な仕組みに貴重な時間とお金を使い続けているのか、理解に苦しむ。

理解に苦しみつつ、自身もその渦中に身を投じていたのも事実である。

投じた理由は簡単で、実生活における「できないこと」をゲームに求めているのだろう。私の場合、一つの行為による異常な影響力に快感を見出していた。攻撃用の手札を用意し、無課金で時間だけ使ってプレーしている張り付きプレーヤーのプライドのようなものを打ち砕く事。「貧乏人は道の隅を歩け!」とか…実社会においては思ってもないし金持ちが偉い、収入が少ない人は偉くないとか全く思っていない。「たまたま持っている、持っていない」に区別されているだけと思っているが。

反面、「持っていないのに働かない」と言う手合いの人間に対しては…やはりサディスティックな側面が出てしまい。そのサディスティックな衝動を蹂躙で満たす事に楽しさを見出していた。令和の御世においてSDGsだのダイバーシティだのが重要と言われ。攻撃的な感情や行動を他人に向けることはタブーとされている中。ゲームの中とは言えそれができるのは…何となく充足されるものがあった。

反面、リモートワークが続く中、ひねもすゲーム興じて社会的責任を果たさない人間になってしまえば?前述のようなサディスティックな行動を向けることはできるのか?会社からお金をもらいつつゲームに興じているのであれば…その方が始末におえないだろう?と自身に対するツッコミが生まれ始めた。

無双できる環境が生まれたがゆえに、逆に馬鹿馬鹿しさが残った…と言うところか?限られた時間内に楽しむからこそゲームであり。それが生活の中の多くを占めてしまってはそれこそ本末転倒だろう?と。

であるがゆえに、「引退トライアル」として、半年ごとに「期」が設定されており。「期」が刷新された2021年2月初旬をもって「引退してみる」と言う選択をした。自身、「やめるやめる詐欺師」になる確率を感じており。あるいは後発ワールドに本アカウントを移行し、過疎ワールドでお山の大将になる可能性も感じていたが…10年と言う歳月で積もり積もったマイナスの感情がプレーの継続を阻み続けている。プレーをやめたのが2月初旬、今、2021年7月中旬。やめるやめる詐欺の時期はもう過ぎたと言っても良いだろう。今であれば何の躊躇いもなくゲームデータを削除できるし戦国ixaに戻ってくることも、同様にブラウザ・スマホを問わず課金要素のあるゲームに金輪際ハマらない事は宣言できる。

結局、日常生活の中にある「満たされない何か」をゲームで満たそうとしても…それは虚しいだけであり。自分自身の中にある「負の衝動」も含め、自身の中で折り合いをつけて共生していくしかないのだろう。

「こうした腹立たしい奴のプライドごと打ち砕く!」と言う衝動があったとして、今の社会においては他人を排除する行為は「悪」であり。力がある人間であったとしても暴力や差別は許されない。排除から共生の世(建前ではあるけど)になっている以上、ゲームで満たされない欲求を少しばかり満たしても…残るのは虚しさであり。使うのはお金と時間である。

少し残念なのが…10年間、戦国時代と言う特定の趣味領域をモチーフにしたゲームを楽しんだ「仲間」であれば、私生活において少しぐらいよしみを通じる選択もあっただろうと思うのだが。

もし仮に、「同盟」なるユニットで「年末にどこかの温泉に泊まってリアル交流をしながら酒でも飲みながら合戦しませんか?」と言い出したら…多分微妙な反応をされるんだろうなーと言う点がある。

オフ会なるものを黎明期にやっている人々がいたが…記録に残っていたのはがっかりするほど冴えない初老のおじさんたちであり(笑)。勇ましい登録名、ゲーム内の卓越した戦術、同盟や所属国を超えた交渉能力など…仮想空間の勇名が現実になるとハゲ散らかした色白の気持ち悪い風貌の人とかになっちゃうのかな?と思うと…プレーヤー層の偏りはとってもあるタイトルだったなーと思ったりもする。もう少し、社交的でスタイリッシュなゲームであれば或いは「このゲームをプレーしてます!」とか言えたのだろうがw

そんなわけで。

来期と言われる8月が間も無く来るのだが、来期についてはゲームデータそのものを登録せず完全に足を洗う事にいたします。

戦国ixaを今もプレーされている皆さん。

冷静に、一人になって考えると「今後の人生において何ら胸を張ってこれをやったと言える事をしていない」…これが現実です。合戦のマネジメント、仲間にもたらす銅銭や片鱗、天下統一戦における各国の猛者との交渉などなど…ゲームを離れてみると「And so what?…だから何なの?」に時間と神経を使っているだけの話です。

どうしよっかなーと悩まれているのであれば…とりあえず一人になって冷静に考えてみる事を強くおすすめします。10日もすれば「あれ?自分は今まで一体何を?」と思うようになる気がします。


それでは。グッバイ!

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