音声配信に「先行者優位」はないと思う理由。

ブログやYouTubeの世界では、さかんに「先行者優位」が叫ばれています。

より早く参入した人が、フォロワーやアクセスなどで優位な立場に立てる。

たしかに「早くはじめた者勝ち」的な部分は少なからずあります。

でも、音声配信はちょっと違うと思います。

Voicyをはじめstand.fm やRadiotalkが最近盛り上がっています。

音声配信の場合は「早く参入した方が有利」とはならないと踏んでいます。

なぜ音声配信には「先行者優位」がないのか？

ひとことで言うと「音声配信はアルゴリズムに依存しない」からです。

※アルゴリズムとは
計算の手順。Googleの検索アルゴリズムなら「上位表示の基準にして要素や指標」のリストや順番のこと

冒頭でも書いたように、ブログやYouTubeは早く参入した人の方が有利です。

なぜなら、上記の媒体ではアクセス数や再生回数で”アルゴリズム”に大きな影響を受けるから。

ブログなら検索結果の順位によってPVが決まる。YouTubeなら「おすすめ覧」に表示されるかどうか。

それによって再生回数に大きな差がでることは今や常識となっています。

言い換えると「たくさん読まれる／視聴されるためには、アルゴリズムに好かれるのが最善策」ということでもあります。

つまり、クリエイターたちは直接的に読者／視聴者に向けてではなく、アルゴリズムに好かれる（嫌われない）コンテンツを生産することを根本の方針にするしかありません。

Googleのアルゴリズムは年々進化していて、よりリアルの反応に近くはなっていますが、完璧ではありません。

上位に表示されているコンテンツのクオリティは一定水準は超えているでしょう。つまり”ハズレる”確率は少なくなってきている。

でも、良いコンテンツが必ず目に留まるか？といえばそこまでは至っていないのが現状だと思います。

アルゴリズムには「先行者利益」が強く働く

Googleの検索アルゴリズムに重要視されている要素として一般的に知られているのは、

・ドメインパワー（ページランク）
・被リンク数（どれくらいの他サイトからリンク・言及されているか）
・離脱率や滞在時間

などのデータを総合的に判断して、どの記事を上位表示するのかを決めていると言われています。

アルゴリズムを決める要素は日々変わっているらしく（200以上の項目があるとか）本当のところは誰にもわかりません。

でも、ドメインパワーや被リンク数が重要なのは間違いありません。

ドメインパワーや被リンク数には、言うまでもなく「コンテンツ発信を長く継続しているクリエイター」に有利に働きます。

これが、ブログやYouTubeには先行者利益があると言われるゆえんです。

音声配信は「生身の人間」から

それでは、音声配信の場合はどうでしょうか。

現在のところ「音声コンテンツを検索から探す」というケースはあまりないと思います。

たとえば、あなたがよく聞いている音声配信を考えてみてください。

その配信者を知ったキッカケはなんですか？

おそらく検索からではないと思います。

・口コミ
・紹介
・おすすめ

つまり「機械（アルゴリズム）ではなく、生身の（そしてあなたがある程度信頼している）人間が良いと言っていたので試しに聞いてみたら良かった」というケースが多いのではないでしょうか。

「音声に関しては、まだアルゴリズムがそれほど信頼されていない」とも言えるかもしれません。

音声検索がもっと進化すれば、ブログやYouTubeのようにアルゴリズムが自分の好みそうなコンテンツを紹介してくれる時代は来る可能性はあります。

でもまだそれは先の話です。

早くはじめるより大切なこと

アルゴリズムに左右されない音声配信では、「参入が早い」はそれほど重要ではありません。

それより「今出すコンテンツをリスナーが気にいるか」が重要です。

先行者云々より「ちゃんとしたコンテンツを継続して発信しているか」の方がずっと大切になります。

先行者優位を狙わない人が勝つ？

「音声配信が盛り上がっているらしい。それなら先行者利益をとるために、今のうちから配信しておこう」

みたいな魂胆ではじめる人は、ほとんどが上手くいかないと思います。

なぜなら、やっている本人が面白くないと継続できないからです。

いくら盛り上がっていると言っても、不特定多数の人に聞かれるに足るコンテンツを持っていない人には何の関係もありません。

それよりは、好きなことをしゃべって、楽しく毎日続ける。

その中で自分を好きになってくれる人が1人でもいてくれたら、その方がよっぽどあなたの力になるはずです。

「成長」が最大の先行者優位

長く続けることの最大メリットは、自分自身が成長することだと思います。

音声配信にも先行者優位があるとすれば、この1点だと思います。

つまり、発信者として（ひいては人間として）のレベルアップが最大の先行者利益となるのではないでしょうか。

「自分を成長させるための発信ツール」として音声配信を選んだ人が、成長して、その結果多くを得ることができる。

今ではそう考えています。