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そこまでTAKEする必要があるのか?

I'llです。
YouTubeで時々目にしていた、動物系のチャンネルを登録しようと概要欄を見たら、Amazonの欲しいものリストやコラボ商品の紹介、お仕事依頼のメールアドレスが記載されていて、興味が一気に冷めてしまいました。
YouTuberも商売人ですから、利益を出したりするのは大事ではあると思います。しかし、動物の日常を切り取っているだけのチャンネルが、ガチガチに商業化されているのを見てしまうと、なぜか騙されたい気持ちが失せてしまいます。
私からすれば、そこまでして利益を出す必要があるのかな、と思ってしまいますが、こう考えるから、私はうだつが上がらないのだろうと思います。私は、お金は汚いと思ってしまう節があるのも否定できません。しかし、動物に与える食べ物や設備すら、寄付で賄うほど下心を見せる必要があるのだろうか、と疑問に思います。

GIVE &TAKEは、経済活動や人間関係の基本です。TAKEをしなければ、GIVEし続けることはできません。しかし利益追求型の社会は、TAKEが過剰になり、GIVEの総量を減らして効率化します。過剰なTAKEは、景気が良いほど反感を生みにくく、GIVEの質の向上や総量の増加を伴えば、理解されることは多いのです。しかし、TAKEが大胆であればあるほど、TAKEされた側の要求は肥大していき、GIVEの内容が綺麗事であればあるほど、レピュテーションを下げていきます。ファンからすれば、儲かっていると言われたら嬉しいものですが、ファンではない外部の人からは冷静に批判されやすく、反感を買いやすいという側面があります。

私は、過剰なTAKEは倫理面でも市場的にも、長期的にはマイナスの効果に繋がりやすいと思います。しかし私は莫大な利益を上げることが悪いと言っているのではなく、搾取感や好景気感を煽ることで消費者の心象を損なうべきではない、という話がしたいのです。可能な限り、商業主義であることを隠したほうが、消費者が気持ち良くお金を使えるからです。あまりに露骨にTAKEをしてしまうと、今の勘の良い消費者には、お金の臭いを嗅がれます。それは、供給者にとっても需要者にとっても、あまり良いことにはならないはずです。

これまで、ビジネスの面でGIVE&TAKEについて書いてきましたが、TAKEすることが大事であると認めながら、しかしTAKEすることが必要なのか、と最近私は考えるようになってきました。
GIVEは、基本的に誰かが得をすることが重要です。その対価としてTAKEをしますが、むしろしなくても良いTAKEをすることが当たり前になっているような気がします。私が案件を受ける時は、報酬次第で契約をします。それは、自分が技術や時間と引き換えにクライアントの要求を実現するための対価です。そのビジネスの裏を返せば、自分がやりたいと思う趣味の範囲であれば、対価は発生しません。ビジネスではGIVE&TAKEがなければ関係は破綻しますが、自分次第でGIVEはGIVEだけで成立します。
何が言いたいかと言うと、GIVEはTAKEをするために行う時、それはビジネスになり、GIVEが慈善性を帯びるには、TAKEをしないことが前提である、ということです。つまり、自分が意義を感じ、社会に必要だと思う行動は、GIVE自体を目的とするべきです。現実的には、TAKEしなければ生活は成り立ちませんが、自分がGIVEに徹しようと思うテーマと、ビジネスで行うべきGIVE&TAKEは、同じである必要はないのです。

世の中には、自らをGIVERだと宣伝し、薄いGIVEで大量のTAKEをする人がいます。それは、今は有り難がられるかもしれませんが、先述したようにそうしたやり方は嫌われていきます。ビジネスのためにGIVERを自称することは、自分の手の内が明らかになった時のリスクは大きいと思います。GIVERは、淡々と自分にとって意義のある行動を続け、その行動自体を目的とする人たちのことです。GIVERとはTAKEしない人のことではなく、あるところでビジネスを成立させながら、自らの意義のためにGIVEを継続できる人のことです。
そしてGIVEし続けた実績が自らの利益にならなかったとしても、社会貢献の価値はレピュテーションを向上させ、将来的に見えない財産となっていくはずです。しかし、本当のGIVERは、その評価ですらTAKEするための成果物と考えないはずです。
あくまで、ビジネスとしてのGIVE&TAKEと、他者貢献としてのGIVEは分けて考えるべきですが、GIVEに対する向き合い方が全く違います。ただ綺麗なGIVEをしていることをアピールすれば、ビジネスとしても社会貢献としても、穿った目で見られかねないのは同じです。いずれにしても、やることをやった上で、粛々と継続することが、下手に評判を下げずに長くできるのです。

これからの時代は、今まで以上に露骨なTAKEは嫌われると思います。そうなれば、GIVEの質に対してもっと目が向けられていくと思います。お金儲けするにも、もう少し頭を捻らなければいけなくなるのではないでしょうか。


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