京都VOXhall

京都VOXhall

阪急河原町駅から、徒歩10分。
鴨川の近く、やけに大きな「VOX」の看板。
出始めの頃は、何度も曲がる角を間違えた。

2014年、学生の頃に初出演。
以降、月一くらいのペースで出るようになる。
京都にホームができたみたいだった。

ブッキングマネージャーの、おのまんは基本的にめんどくさい。
けど、俺たちが好きなものを好きで、何より俺たちのことを好きでいてくれる。
作戦会議とか言って、ライブもないのに遊びに行って、
おのまんと、バンドのこれからを話したりした。

ライブハウスの中は、映画館みたい。
というか、元々映画館だったはず。
客席が三階に分かれてる。

一階は、知り合いばっかり。
二階は、揺れながら観てる人たち。
三階は、静まり返ってタバコ吸ってる。

ライブ中、勢いの余り、ステージから降りて三階まで駆け上がる。
温度差に驚いて、負けそうになる。
たまに、そこで新人発掘のレーベルの人と目があったりする。
あれ、今日も来てたんすか。

打ち上げは、23時までに切り上げる。
23:15が阪急六甲への終電。
京都のバンドマンとギリギリまで飲んで、最後は河原町駅までダッシュする。
道中、エフェクターボードを載せたキャリーカートが壊れるのは定番。
絶対間に合わないと思っても、毎回何故だか間に合った。

神戸の大学生は、京都行くの大好きだから、
それだけで浮かれるから。
でも、それ以上に月一回のVOXhallがとても楽しみだったのは、
そこがホームみたいだったからだな。

こないだ、2015年のVOXhallでのライブを見返した。
うるさくて、尖ってて、すげえ下手で、とてもかっこよかった。
おのまんはある日俺らに「都市型オフェンシブライムビート集団」ってキャッチコピーをつけた。
なんか無性に気に入って、それからしばらくそう自称してた。

大好きな場所が閉店するのは、本当に悲しい。
堪らなくやるせない。
VOXhallで起こったこと、こんなもんじゃないんだけど、
沢山の思い出を決して忘れないように、
その一部を、ここに残しておく。

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