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1.Dive to Mars【「GINGAKEI」発売記念パノラマくん対談】

ミニアルバム 『GINGAKEI』発売まで、あと1週間を切ったということで、今日から1曲ずつ、解説記事をあげていきます。ただ、ストレートに解説しても退屈なので、パノラマパナマタウン初期にバンドを象徴するキャラクターとして誕生し、多くのフライヤーやジャケットに登場した「パノラマくん」と対談をしました。

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「パノラマくん」がメディアに露出するのは、とても貴重な機会です。

・イントロデュース

岩渕「はい。ということで、今日からやっていきましょう。『GINGAKEI』全曲解説。てか久しぶりだよなパノラマくん。」

パノラマくん(以下「パ」)「マジでな。首を長くして待ってたよ岩渕。バンドを始めた頃に俺を生み出して以降、5年間くらい忘れてただろ俺のこと。

岩渕「いや、忘れてた訳じゃないんだけど、君のこと考えないようにしてた節があったね。まあでも、こういう形で一緒にやれて嬉しいよ。今日は一曲目『Dive to Mars』から。」

パ「凄いスピードで俺の話終わるな。はいはい始めましょうか。まずは一曲目ね。これは、浪越作曲だっけ?

・ギターと打ち込み

岩渕「そう。そして最後にできた曲。浪越がこの曲、持ってきた時は感激したね。最初に聴いたのはタノの家だったんだけど、タノの家の物、やたらめったら投げたくなったもんね。」

パ「思いつきで人の家の物を壊すなよ。そうか、浪越作曲か。どうりで、全編ギターが鋭く冴え渡ってるね。」

岩渕「浪越としても、自分の好きなものを沢山入れ込んだ上で、クールなギターリフと、俺のラップっていう、パノパナの魅力が立ちまくった曲にしたいという意図があったみたい。ギターソロなんぞ、最高にカッコいいよな。ドラムやスクラッチ音など、打ち込みの音もクールに入っているけど、反面、ギターやラップは熱く、泥臭くて、その対比が面白い曲でもあるね。

・歌い上げないサビ

パ「浪越はサビの『Dive to Mars』のところも歌ってるね。」

岩渕「そうそう。声にはオートチューンをかけて宇宙的な仕上がりにしてる。浪越の声もかなり高いとこまで出てるしね。」

パ「サビのこういう主旋律っぽいのを岩渕以外が歌うのって初めてじゃない?」

岩渕「そうかもしれない。それこそ浪越が作った『寝正月』以来かもね。今回、歌い上げるサビじゃなく、それでも耳に残る言葉やメロディってのを強く意識してる。よりHIPHOP的なアプローチに近づけたかった。『HEAT ADDICTION』や『Chopstick Bad!!!』や『GINGAKEI』もそうなんだけど、掛け声の方が重要だったりする。まあ、あとお陰でその分サボれるしな。」

パ「解説ブログで『サボれる』とかいう言葉を使うなよ。」

・未知に飛び込め

パ「そもそも『Dive to Mars』ってどういう意味なのさ。」

岩渕「『火星に飛び込め』

パ「いーやGoogle翻訳!Google翻訳のスマートさ!直訳が聞きたいんじゃなくて、意味よ、もっと本質的な意味。」

岩渕「なんだろ。まあ語感が良かったってのは大きい。今回、勢いで歌詞書いてるから、あんまり突き詰めた意味みたいのは無いよ。まあ、でも身の回りにあるでしょ?火星。

パ「無い。俺の知る限りでは無い。」

岩渕「いつもは通り過ぎるだけの居酒屋の暖簾を潜ればそこは火星だし、普段読まないオカルト雑誌をめくれば火星。火星って人類が到達したことない星だけど、そんな風に足を踏み入れたことない世界ってのが俺たちには沢山ある。それが全て火星なのさ。

パ「急にスイッチ入ったように話し出すな。確かに、火星ってのは小説にしろ、映画にしろ、SFの題材に古くから使われてきたよな。」

岩渕「デ・パルマ監督の『Mission to Mars』なんかこの機会に見返したよ。最近だと、マット・デイモンが火星に一人取り残される『オデッセイ』とかね。この曲も一過性(いっかせい)で終わらず、後世に残っていく作品になってほしい。

パ「自分でフリガナまで打って恥ずかしくないのかよ。あと、語り残してるとこはないかい?」

岩渕「どんな人間でも知ってることより知らないことの方が多いってことかな。この曲、セリフのようにボヤいてるところに核心があったりする。

パ「天邪鬼だなあ。そういうのって自分で言うことじゃないけどな。」

岩渕「自家製(じかせい)解説だから。

パ「この調子で、あと6回やってくと考えたらしんどくなってきたよ。」

岩渕「次回もよろしく。」


火星をテーマにした過去のSFの多くが、そこに到達するのがラストになるのに対し、火星の正体が分かり始めた現代を舞台にしたSFだと、そこに到達して「からの」ドラマを描くことが多いなと気づきました。想像力ってのは、常に「知らない」場所に向けられる。火星に人類が辿り着いてしまった後のSFは、それこそ知らない「銀河」に向かう作品が多くなるかも。

次回は2曲目「目立ちたくないMIND」について語ります。

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